36：幻影旅団〜夢主SIDE〜 ページ44
なんだかんだでフェイタン様以外と馴染めている…気がする？
特にシャルやフィンクス、ノブナガにウボォーは気を遣ってくれているのか、絶えなく話題を振ってくれている。
ぼくはいつも通り笑顔で受け答えをする。
ゾルディック家でもそれは日常的だった。
……常時笑っていないとみんなが心配するし。
ふと、目に入ったショーウインドウに自分の瞳が映る。
灰色と青のオッドアイの瞳。
弟たちはかっこいい、とか綺麗とか言って褒めてくれているけど、正直ぼくはあんまり好きではない。
……元々の瞳は両方灰色だったのだけれど、ある日を境にぼくの瞳は青く色づいた。
それが、思い出せない。
たしかにぼくは灰色の瞳を持っていた。
だがいつの間にか、色を変えたんだ。
「……はぁ」
ないものねだり、かな。
この特殊な瞳を持たない人はこの目を羨むけど、望んでいないぼくからしたらいい気分ではない。
キルアとお揃い。
兄様にそう言われて自信は持てたけど、やはりオッドアイ、というのはどうかと思う。
……キルアの青は澄んでいて清らかでとても素敵な瞳だけど、ぼくは違う。
何か、狂気のようなものを孕んだ海の奥底のような青。
やはりぼくは、何かを忘れている。
ショーウインドウに映る自分の顔をソッと触れる。
するとヒョコッとコルトピが顔を出し、どうしたの？ とぼくの顔を覗き込んだ。
「え？ …あ、いや、その」
口籠る。
唐突にオッドアイが悩みなんです、ぼく記憶がないところがあるんです。 なんて言えるわけもなく、ぼくはショーウィンドウから視線をそらした。
するとコルトピは納得したようにショーウィンドウを見つめた。
「ちょっと待ってて」
そう言い残し店の中に入っていく。
ぼくの頭上にはハテナマークが浮かんだ。
そして数分後、ナイフを持ったコルトピが出てきた。
「え、どうしたん…ですか、それ」
「どうしたのって…これ欲しかったんでしょ？」
さらに頭にハテナマークが浮かぶ。
チラッともう一度ショーウィンドウを見ると、そこには鉱石のナイフが置かれていた。
……なるほど、ぼくがナイフを見ていると勘違いしたわけか。
ありがとう。 とナイフを受け取りローブへしまう。
…？ でも、このショーウィンドウのって一点ものって書いてあったけど、なんでまだあの中に？
謎が深まった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 424人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RT - とても面白いです！続編頑張ってください！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ(プロフ) - 続編が出るのを心からお待ちしております！ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 471f321dcd (このIDを非表示/違反報告)
シベリアンハスキー(プロフ) - 凄く続きが気になります！！更新お願いします！頑張ってください！！ (2017年10月29日 3時) (レス) id: a9a6ccf11e (このIDを非表示/違反報告)
お凛 - すごく面白い！続きがとても楽しみです！更新頑張ってください^ ^ (2017年9月7日 13時) (レス) id: 86a1ba0e04 (このIDを非表示/違反報告)
カクテル - 更新早くお願いします！（＾∇＾） (2017年8月16日 16時) (レス) id: 1f958aadd5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年3月25日 2時
