32：幻影旅団〜フィンクスSIDE〜 ページ36
「……ねえ、Aの家族って母親以外全員男？」
突如、今まで黙っていたマチが口を開いた。
「？ …はい。 あっ、いや、うん。 そうで…だけど」
敬語が抜けないのか訂正しつつマチの質問に答える。
その質問の意図に俺を含めた男連中は首をかしげる。
それとは反対にシズクとパクは納得したようにうつむいた。
「……たしかに、可愛いものね」
「うん。 あたしもAみたいな妹いたら重いものなんて持たせないかも」
その言葉を聞き、首を傾げた男連中は頭上にハテナマークを浮かべる。
何を言っているんだ。
可愛い？ 妹？
その発言の意味を知るのに、そう時間はかからなかった。
「……えと」
シャルは戸惑いからか、頬を掻きながらAに目を向ける。
「……A、その、男……だよね？」
あのシャルが動揺している。
だが無理もない。
だってあの団長も額に汗をかき、動揺のせいか、目に光がなく貧乏ゆすりをしている。
Aはシレッと答えた。
「……あれ、言ってなかったっけ。 女だけど」
突然の静寂。
Aは不思議そうに首を傾げた。
「な、何故言わなかった？」
長い沈黙を破ったのは団長だった。
Aはまた不思議そうな顔をする。
「……言ってなかったってことは、聞かれなかったからじゃないかな」
聞かれなかったら言わなかったのか。
……いや、そりゃそうだよな。 大体の人って見た目で判断できるもんな。
パクやシズクは呆れたようにため息をついた。
「こんな可愛い子、男と間違えるなんてありえないよ」
「そうね。 まあAも悪いわよ。 せっかく綺麗な顔立ちをしているんだからもっと女の子らしい服を着なきゃ」
ついでに振る舞いもね。
パクがそう言うとAは、服はラフな方が楽ですから。と苦笑した。
「……振る舞いに関しては…うん。 女と知られればナメられる、と兄様に教わったから、最上級に、荒く言葉を使っているつもり…なんだけど」
パクノダやマチ、シズクを欺けないんじゃこれは使えないな。 と頬を掻いた。
「…なん、え？」
衝撃的過ぎて頭がついていけない。
俺はAに聞き返した。
「…？ 振る舞いは女だとナメられるから」
「そのあと」
「…荒く言葉を使っている？」
そう、それだ。
……あれで、荒い言葉のつもりなのか。
ていうか、女…だったのか……
冷や汗が頬を伝たった。
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RT - とても面白いです！続編頑張ってください！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ(プロフ) - 続編が出るのを心からお待ちしております！ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 471f321dcd (このIDを非表示/違反報告)
シベリアンハスキー(プロフ) - 凄く続きが気になります！！更新お願いします！頑張ってください！！ (2017年10月29日 3時) (レス) id: a9a6ccf11e (このIDを非表示/違反報告)
お凛 - すごく面白い！続きがとても楽しみです！更新頑張ってください^ ^ (2017年9月7日 13時) (レス) id: 86a1ba0e04 (このIDを非表示/違反報告)
カクテル - 更新早くお願いします！（＾∇＾） (2017年8月16日 16時) (レス) id: 1f958aadd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年3月25日 2時
