33：幻影旅団〜夢主SIDE〜 ページ37
旅団員の反応にぼくは苦笑するしかなかった。
マチやシズクに頭を撫でられながらぼくは、土下座をするフィンクスたちを見下ろした。
当然よ。 そう言ってパクノダはふん、とソッポを向く。
「あの、性別に関しては言わなかったぼくが悪いし、何もここまでさせることは」
「いーえ、ダメよA。 コイツら私たちの言葉信じられなくて触れることでAが本当に男か女か確かめようとしたんだから」
_______今から三分ほど前。
性別を明かしてから硬直していたフィンクスたちが突如動き出し、ぼくにじりじりと迫った。
なんだろう。 と思いつつその様子を観察していると、突如マチは糸を、パクノダは銃を、シズクは掃除機を取り出した。
そして現在に至る。
「…フィンクス、大丈夫？ 痛くない？」
シズクの持っていた掃除機によって殴られたその頬は痛々しく腫れあがっていた。
おう。 と申し訳なさそうな声を上げるフィンクス。
頭は地面につけたままだった。
「あ、あのね？ ぼく触れられることなら多々あるし、家じゃ兄弟たちに抱きしめられたりしたし」
だから触れられるのは問題ないよ。 それで性別を分かってくれるなら。
そう付け足しぼくなりに精一杯フォローをする。
「でもそりゃ家族だからな」
フランクリン、やめて、フォローの意味がないよ。
ぼくはうなり、ため息をついた。
「家族って言っても、血は繋がっていないから」
ぼくの言葉にフィンクスたちは顔を上げた。
目を丸くし、呆然とぼくの顔を見つめる。
「珍しい話じゃないよ。 ぼくが小さいころ両親が死んで今の家に引き取られた。
血の繋がりなんて一切ない、そんな家にね」
幼すぎて、そんなの覚えていないけど。
キキョウさんやシルバさんが苦しそうにそう伝えたのを今でも鮮明に覚えている。
これを話したのは、同情を貰うためなんかじゃない。
ただ純粋にフィンクスたちのフォローをしただけのつもり。
だからこの言葉に、意味なんてない。
「だから、抱きしめられたって平気ですよ」
ぼくは、誰ともつながっていないから。
ああ、今最上級にひねくれた発言をした気がする。
キルアやアルカ、カルトに怒られそう。
そんなことを思っていると、不意にパクノダに抱き寄せられる。
「大丈夫よ、あなたは愛されているから」
訳が分からなかった。
何故あなたたちが悲しそうな顔をするのか。
……ねえ。
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RT - とても面白いです！続編頑張ってください！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ(プロフ) - 続編が出るのを心からお待ちしております！ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 471f321dcd (このIDを非表示/違反報告)
シベリアンハスキー(プロフ) - 凄く続きが気になります！！更新お願いします！頑張ってください！！ (2017年10月29日 3時) (レス) id: a9a6ccf11e (このIDを非表示/違反報告)
お凛 - すごく面白い！続きがとても楽しみです！更新頑張ってください^ ^ (2017年9月7日 13時) (レス) id: 86a1ba0e04 (このIDを非表示/違反報告)
カクテル - 更新早くお願いします！（＾∇＾） (2017年8月16日 16時) (レス) id: 1f958aadd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年3月25日 2時
