22：行くあて〜シャルナークSIDE〜 ページ24
あのあとAは20分くらい渋っていた。
なんでも幻影旅団のファンらしく、お手製の賞金首(ビンゴブック)に資料を集めるなど子どもにしては、というか全体的に中々ユニークな趣味を持っている。
俺に求めたようにほかのメンバーのサインと拇印が欲しいようだがやはりいきなりは恐れ多くできない。 などということを２０分聞かされた。
そして今に至る。
「しゃ、シャルナー…」
「A」
「……シャル、本当に行くの？ その、ぼくみたいな凡人が行ったら皆様のお目が汚れてしまうのでは……？」
どんなネガティブだよ。
そう突っ込むと彼は困ったように眉を下げた。
……彼は嘘をついていない。
俺が言うのもおかしな話だけど、俺たちを心から尊敬している。
確証はないけど、なぜかそう思えた。
それも、彼が面白いから。 …なのかもしれない。
「ここの先に君の憧れの旅団員がいます。 心の準備はいいですか」
ふざけたノリでゲームノキャラクターのような喋りをする。
Aはあたふたと、ま、待って！ と俺の服の裾を掴んだ。
「だ、ダメ！ …です」
「いいよ、無理して敬語なんて使わなくて。 ほら、開けるよー」
Aの言葉を遮り無理やり扉を開ける。
そこには珍しく旅団全員が揃っていた。
Aは俺の後ろに隠れ、ぎゅっ、と両手で俺の服の裾を掴んでいた。
なんとも男とは思えない女子力の高い仕草に、少し、ほんの少し胸が高鳴る。
「おい、シャル。 ガキの容態はどうだ」
フィンクスの声に、Aは凄まじい勢いでビンゴブックをめくった。
「もう目が覚めて、俺の後ろに。 まだふらつくみたいだけど、大丈夫そうだよ」
俺の言葉にそうかよ。と興味なさそうに返すフィンクス。
…と、次の瞬間Aが一瞬のうちにフィンクスの目の前に立ち、精一杯のお願いをした。
「ふぃ、フィンクス様！！ さ、サインと拇印ください！！」
またしても直球。
本日二回目、また俺は吹いた。
「て、てめ、いつの間に…！」
たしかにAの動き、今一瞬見えなかった。
さすがにフィンクスも対応に困るようで、焦っていた。
俺が一発目にそう言われると誰でも驚くよ。 とAに言うと、Aは、そうなんですか。 と首を傾げる。
わざとやっているわけじゃないのか。
ますます面白いな。
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RT - とても面白いです！続編頑張ってください！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ(プロフ) - 続編が出るのを心からお待ちしております！ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 471f321dcd (このIDを非表示/違反報告)
シベリアンハスキー(プロフ) - 凄く続きが気になります！！更新お願いします！頑張ってください！！ (2017年10月29日 3時) (レス) id: a9a6ccf11e (このIDを非表示/違反報告)
お凛 - すごく面白い！続きがとても楽しみです！更新頑張ってください^ ^ (2017年9月7日 13時) (レス) id: 86a1ba0e04 (このIDを非表示/違反報告)
カクテル - 更新早くお願いします！（＾∇＾） (2017年8月16日 16時) (レス) id: 1f958aadd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年3月25日 2時
