21：行くあて〜夢主SIDE〜 ページ23
本を壁代わりにして、シャルナーク様から目を背ける。
本物の幻影旅団を目の前にして、ぼくはただただ歓喜していた。
入りたい、というわけではないが、幻影旅団はぼくの憧れ。
その瞳の奥底は何人もの人を殺めてきたことを物語っている。
ぼくはその暗く美しい瞳に心惹かれた。
これもゾルディック家で育ったことが影響しているのだろうか。
そんなことを思っていると、シャルナーク様が突然笑い出した。
「ぷっ、あははっ、君、面白いね！」
「……え？」
“面白い”
初めていわれた言葉にぼくは思わず顔を上げた。
シャルナーク様は涙目になりながら、笑いを堪えている。
え、え？ 何も面白いことなんて言ってないこと思うけど。
「あ、あの、シャルナーク様？」
「ふふ、シャルでいいよ。 A。 俺初めて様付けされた」
サインと拇印を求められたのも初めて。
シャルナーク様の言葉にぼくは首を傾げた。
「で、でも、シャルナーク様はシャルナーク様ですし」
「じゃあシャルって呼ばれたいな。 俺のお願い…ダメ？」
まるで捨てられた子犬のように悪意のない顔をこちらに向けるシャルナーク様。
はい。 というほかなく、口籠りながらも、シャル。 と声をかける。
「うん。 なーに？」
ああ、子どもぼくが言うべきではないんだろうけど
＿＿＿＿___無邪気だ。
とても素直で綺麗に笑う。
……ぼくとは、大違いだ。
「ふふ、団長も気にいるわけだな。 俺にはAの強さは分からないけど、面白さがバッチリ分かったよ。 ねえ、傷は大丈夫？ 大丈夫なようなら今からみんなのところに行こうか」
は、話がどんどん飛躍して何が何だか。
……？ みんなのところ？
「え、それって」
「…そ！ 幻影旅団の…メンバーのところに！」
な、なんと！？
ぼくは驚きと嬉しさのあまり、本を手から滑り落してしまった。
22：行くあて〜シャルナークSIDE〜→←20：行くあて〜シャルナークSIDE〜
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 424人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RT - とても面白いです！続編頑張ってください！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ(プロフ) - 続編が出るのを心からお待ちしております！ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 471f321dcd (このIDを非表示/違反報告)
シベリアンハスキー(プロフ) - 凄く続きが気になります！！更新お願いします！頑張ってください！！ (2017年10月29日 3時) (レス) id: a9a6ccf11e (このIDを非表示/違反報告)
お凛 - すごく面白い！続きがとても楽しみです！更新頑張ってください^ ^ (2017年9月7日 13時) (レス) id: 86a1ba0e04 (このIDを非表示/違反報告)
カクテル - 更新早くお願いします！（＾∇＾） (2017年8月16日 16時) (レス) id: 1f958aadd5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年3月25日 2時
