18：行くあて〜夢主SIDE〜 ページ20
ふわふわと体が宙に浮く感覚。
なんなんだ、これ。
ああ、これ、前にもどこかで。
『A』
……イルミさん？
『A、頼む、死なないでくれ』
……ぼくが死ぬ？ なんで？
『お前が望むことはなんでもしてあげるから。 俺の傍から離れないで……』
どうしたの、なんで泣いているの
……ぼくが、泣かせたの。
『イルミさ…』
違う、イルミさんじゃない。
“お兄様”だ。
『……お兄様』
ぼくがそう呼んでも、お兄様は振り向かない。
ただ、眠ったように呼吸を止めている、�猝椶料阿里椶�″の手をしっかりと握り、離さなかった。
＿＿＿＿＿＿___呼吸を止めている？
『お兄様』
『A、A』
『ねえ、お兄様ってば』
どうしようもない、何とも形容しがたい不安が脳内をぐるぐると駆け巡る。
『ねえってば』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿___ぼくは、ここにいるよ。
「お兄様！！！！！」
そう、叫んだ時、一番最初に視界に映ったのは白い天井だった。
ここは一体どこ。
なんで、ぼくはカフェにいたはずじゃ。
様々な展開に頭がついていけず、ぐるぐると目が回る。
まずは、ここがどこだかだ。
一面、白い部屋に白いベッド。
治療器具が置いてあるものの、病院特有の薬品のにおいがしない。
ここは、病院ではないのか？
上半身を起こし、再度周りを確認する。
ズキッ、と痛む肩と腹部に一瞬違和感を覚える。
「……あれ、なんで、包帯…？」」
そういえば、あのカフェに強盗が。
絡まっていた糸が解けたように、混乱した記憶が一気に、鮮明に思い出された。
そうだ、ぼく、強盗に撃たれてそのまま倒れたんだ。
恐らく原因は出血多量によるもの。
そして誰かが病院じゃない“どこか”にぼくを運んで治療した。
そう、推察される。
では、一体だれが？
少なくとも、ここはカフェの控室ではない。
カフェの控室ならばカフェ特有の甘い香りがするはずだ。
しかもここにはベッドが備えられている。
ということは誰かの家、なのか。
……そうだ、場所の特定なら、携帯のGPSの現在地確認で可能だ。
ぼくはポケットを探る。
が、携帯はおろか着ていたはずのローブや手荷物すら見当たらなかった。
どうしようもなくなってしまった。
不安になり、布団を握りしめていると、ドアのノック音が響いた。
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RT - とても面白いです！続編頑張ってください！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ(プロフ) - 続編が出るのを心からお待ちしております！ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 471f321dcd (このIDを非表示/違反報告)
シベリアンハスキー(プロフ) - 凄く続きが気になります！！更新お願いします！頑張ってください！！ (2017年10月29日 3時) (レス) id: a9a6ccf11e (このIDを非表示/違反報告)
お凛 - すごく面白い！続きがとても楽しみです！更新頑張ってください^ ^ (2017年9月7日 13時) (レス) id: 86a1ba0e04 (このIDを非表示/違反報告)
カクテル - 更新早くお願いします！（＾∇＾） (2017年8月16日 16時) (レス) id: 1f958aadd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年3月25日 2時
