温度差が31°C ページ33
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「……………で、"俺"ん家ではクレープを一人一個食べるかって？」
『………………ん？？』
「…………………あ、」
や、やらかしたーー！と五条は口を咄嗟に抑える。
あれ？いやいやいや。まだ大丈夫。うん、大丈夫。別にそんな一人称がバレたとこでな〜〜
五条は焦っていた。お分かりの通り、猫被りがバレたからだ。
バレたら失望されるかもしれない、と五条の思考はどんどんと悪い方向へ進んでいった。
一方、Aは目を見開いていた。一人称が"俺"になったからだ。だがその瞳には失望など一切存在していなかった。
………それは何故か。
『(やっと素で話して頂けた…！！！)』
猫を被っているという思考が頭に一切存在しない、ただ純粋な箱入り娘だったからだ。
元々、Aは少し悩んでいた。
以前教室に入ろうとしていると五条の声が聞こえてきたのだ。その声色はAと接している時とは程遠い、学生の声。
あ、私もしかして嫌われてるのかな………と一人枕を濡らしていた。(暗喩)
だがそんな悩みも解決した。
今、五条が"俺"という一人称で、以前の様な声色で、Aに接してくれたから。
「………あ、えとね。僕の家では……………………一人一個………じゃないよ」
『………そうでしたか…………』
嘘。本当は一人一個〜と五条は心の中で言う。
女子高校生とひとつのクレープを二人で食べる、など男子にとっては永遠の夢だ。
「……ねぇ、」
『は、い………？』
もし、と五条は言葉を連ねる。
「………もし…さ、友達が猫を被ってたらどう思う？」
『………う、う〜ん？…………や、やっぱり私の意見ですけど、その、猫を被っている友達も辛いし、私は素で話して頂けた方が、両方気楽に話せる親友になれるんじゃないかな、…………と、お、思います………』
じゃあ、とまた五条は言葉を発し、振り返る。
「……………………これからは、"俺"でいくから。よろしく」
『……！は、はい！！！』
あーー、何この幸せキャピキャピカップル。推せる。とクレープ屋の店員は合掌をしていた。
「はい、お待たせしました〜イチゴチョコクレープです。」
『…！ありがとうございます！』
「………ん、」
「ん、ほら。食いなよ」
『！！で、では……』
「はぁ！？！？？普通同じとこ食うか！？！？」
『……えぇ！！？！？す、すみません？！？！？！？』
お幸せに。クレープの店員はそんなカップルを眺めながら本日二度目の合掌をした。
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ゆっくり - 天才羨ましい、、そっか···神ってマジでいるんだ··· (2022年10月23日 10時) (
レス) id: 7a9a52b587 (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 作者様一言よろしいでしょうか？ｽｩ貴方は神です！！！！！！(大声)天才です！！！！！！！！！(大声) (2022年8月19日 15時) (レス) @page42 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
袋(プロフ) - 森さん» あ"り"がと"う"ござい"ま"す"(号泣)アｯ……………あれ、？？？私ってもしかして東大生だったのですかね？？？(錯覚)あー、成る程。私は東大生で今とても良い職場に勤めているんですよね(血涙)？？ありがとうございます… (2022年7月29日 21時) (レス) id: e716f9f425 (このIDを非表示/違反報告)
森 - 袋様、語彙力を分けて下さいません???こんな神作品を書けるなんて、さては東大生ですか?! (2022年7月29日 0時) (レス) @page37 id: 16b29645b2 (このIDを非表示/違反報告)
袋(プロフ) - ひめさん» ありがとうございます…！！そんな、……表現の仕方が素晴らしいだなんて………！！(照)これからも張り切って書かせて頂きたいと思います……！！頑張ります〜！ (2022年7月16日 22時) (レス) id: e716f9f425 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：袋 | 作成日時：2022年2月27日 2時
