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言えない仕事1 ページ16

ポートマフィア傘下の武闘派組織『黒蜥蜴』の一員である立原道造は、招集をかけられいつもの部屋に向かっていた。



鉄製のひんやりと冷たい取っ手を下ろしてドアを開ける。



室内に既にいた広津は、ソファに深々と座り煙草を吸っていた。



「なんだ、集まってんのジーサンだけか。銀の野郎は?」



立原は部屋に入り広津に言って室内を見渡す。



「…あぁ。来たか。銀は別件で仕事中だ。」



広津の口からは言葉と共に白い煙が漏れる。



立原は漂う白い煙に構わず広津の側に立ち、鼻の頭に貼った絆創膏を触りながらふーん、と呟いた後



「そんで、俺には別の依頼か?」



「そうだ。人を迎えに行って欲しい。」



「迎え?なんだそのしょーもない依頼。チッ。
ーーまぁいいや。誰を迎え行けばいいんだよ?」



立原は頭をガシガシと掻いて明らかに気怠そう。



横目で見ていたそんな彼の様子も気にせず、広津は



「行けば分かる。」



そう言って小さな紙切れを渡す。


それを少し乱暴に受け取った立原は、紙切れに書かれた場所を確認し煙が漂う部屋を後にした。










(この場所、なんか聞き覚えあんだよなー。)


立原は部下が運転する車の後部座席に座り窓の外の流れる景色を見ながら思う。



最初こそ人通りの多い通りを走っていたが段々と人影は無くなり、街灯も少ない細い裏道へ。



そして車は小さな廃工場の前で止まった。



「到着しました。」



そう言った部下が後部座席の車のドアを開ける。



開けてもらったドアから車外へと出る立原。



ポケットに手を突っ込み辺りを見回すが、人影は見えない。



「誰もいねえな。」



立原は昔はピカピカだったであろう今はもう開きもしないガラス張りの扉に寄りかかる。そして、とある事を思い出す。



(そうだ。この住所、たまにジーサンと銀が話してる所か。マフィアの一員でもねぇくせにあの本部ビルに出入りしてるあの女との集合場所の一つに使ってるとこだ。
名前はたしかーーーーーーーー)




「あれ、今日は銀ちゃんじゃないの?」



突如、背後から声がかかる。


立原はすぐに後ろを振り返った。



(なんだこいつ…声が聞こえるまで全く気配を感じなかった。こいつが、あのAAか。)



彼の前にはミルクティー色の猫っ毛が印象的な可愛らしい少女が立っていた。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 太宰治 , ポートマフィア   
作品ジャンル:アニメ
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かんぷ(プロフ) - せなさん» ありがとうございます☺️最近忙しくてなかなか更新できないのですが、読んでくださって嬉しいです☺️良ければまた読みにいらしてください (1月12日 21時) (レス) @page22 id: e2bef6b9e2 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - シンプルに言います。神ですね (1月9日 2時) (レス) id: fdd34e7dad (このIDを非表示/違反報告)
かんぷ(プロフ) - ふぁぁんでぇすさん» コメントありがとうございます。本当ですね😢すみません😢修正します。ご指摘ありがとうございます! (10月16日 21時) (レス) id: 6c4057c318 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁぁんでぇす - 太宰さんの一人称「私」だったような(-.-) (10月16日 21時) (レス) @page5 id: 138a5f5117 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かんぷ | 作成日時:2023年10月10日 1時

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