いちわ ページ1
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「俺の前で転んでんじゃねぇ！！誰がこの街を守ってやってると思ってんだ！！！！」
ボコり、鈍い音が街に響きわたり、殴られた男性は為す術なく地面へと叩きつけられた。
その様子を見て止めることもせずニヤニヤと笑いながら、又怯えながら見守る周りの同僚たちの姿が目に入った。
なんだこれ、何が起こっているんだろう。
私は一度、海賊から海兵に救われたことがある。家族共々襲いかかられ、もう終わりだと目を瞑った瞬間、海賊が摩訶不思議な力で凍ったのだ。
その時に私は誓った。よし、海兵になろうと。
それがどうした、街の人達に暴力を振るってはストレス発散の捌け口にし、怯えさせている。
プツリと頭の中できれた音がし、上司である名も知らぬ男に殴りかかった。
「ふざけんじゃねぇー！！！！何が海軍だボケ！！お前はただの暴力装置だ、ばーか！！！！！」
あまりに軽率だったと反省はしている、だが後悔は丸でなかった。私は正しいことをしたと信じて疑っていない。
私は清く正しい海兵になりたかったのだ。それがなんだ、こんなヤツの下でヘコヘコしなきゃいけないくらいなら殴ってクビになってやる、そんな覚悟で殴った。
周りの海兵たちが困惑の声を出す中、私は走り出す。
「海軍なんて辞めてやるー！！！！！クビになる前に辞表届け出して辞めてやるもんね！アッハッハ！！！！！」
ヤケだった。子どもがやってしまったことを隠すために用いる一つの方法、開き直りという選択をし逃げるように海軍本部へと向かう。
数分後に後悔と反省をする未来を私はまだ知らなかった。
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続く
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作者名：あみゅーずめんと | 作成日時：2022年12月28日 17時
