77.存在しないもの ページ32
死者の都での事を思い出した。
あの時とは状況が違うけど、似てる。
目の前の彼の頬に傷を与えたのも、彼の背後の壁を凹ませたのも、間違いなく私。
「己の感情次第で発動する魔法、面白いの持ってるんだね」
「己の…感情次第？」
「もしかして知らなかったの？君の魔法と魔力は結構特殊だよ」
まさかここで魔法の発動方法を知ることになるとは思わなくてすぐに理解が出来ない。
ルーネスは頬の傷口から出た血を拭いながら立ち上がり凹んだ壁を見て、ヒュ〜と口笛を鳴らした。
「これもギーラの言った通り、案外侮れない女だねぇ」
見事に凹んでる、と言いながら壁を触るその姿をただ見ることしか出来ない。
ルーネスはそのままこっちを振り返って、また笑顔を浮かべる。
「ギーラが感じた違和感はこの事だったかぁ。君の魔力には何かこう、何だろうね〜異色なものが混じってるんだよねぇ。大袈裟に例えるなら、別次元の色」
「…！」
その言葉に心臓がドクリと大きく鳴る。
同時に嫌な汗が背中を伝った。
「君、本来この世界には存在しない人間だったんだね」
ドクン、ドクン、と心臓がうるさい程に大きく鳴る。手の震えを誤魔化すように、ギュッと強く拳を握りしめた。
なんで知ってるの？なんであなたが、そんなことを知ってるの？
聞きたくても、上手く言葉が出てこない。
「君は本来の世界で、音楽に打ち込む日々を送っていた。特技は歌。そしてどういうわけか、この世界の未来について知っている。…けど少し記憶が欠けてきてるみたいだねぇ」
淡々と私について語りだす彼に、困惑を隠せない。
なんで、なんで、なんで…？
「未来を知ってる理由までは見えなかったんだけど、君の口から教えてくれたりできる？」
「あなた、何なの！？なんで、そんなこと…！教えるわけないし、言いたくない！！」
「ふーん、まぁ別にいいけどね。ある程度見えたし」
見えた、という言葉に引っ掛かり私は眉を寄せた。
そんな私の怪しげな表情を見て悟ったのかルーネスは言う。
「ああ、僕の特技。人に触れるとその人の過去と現在のステータスを見ることが出来るんだよね」
つまり、さっき突然私に触れてきたのは私のステータスを見るため。
だから私がこの世界の人間でないこともすぐに分かったんだ。
「君の知識の中にどうやら僕は存在してなかったみたいだ。まぁでも、君がここに来た時点で君の知る未来はどこにも無いんだよ」
その微笑みは、不敵なものだった。
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きよか。(プロフ) - アリスさん» いい歌ですよね。儚げな曲調がすごく好きです(’-’*)ありかとうございます！これからも頑張ります♪ (2018年11月13日 23時) (
レス) id: 73661a568b (このIDを非表示/違反報告)
アリス - どうも、アリスです。瑠璃色の地球、私の友達が合唱コンクールで歌いました。私も大好きな曲です。これからもがんばってください！ (2018年11月13日 18時) (レス) id: 9ad0b945de (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - 糞さん» 盗作被害にあってしまったため、しばらく鍵をつけさせていただいてます。ご迷惑おかけして申し訳ありません(>_<)もし、Twitterアカウントをお持ちでしたら私のプロフ欄にTwitterのIDをのせていますので、そちらからリプかDMをくださればパスワードを教えます。 (2018年9月30日 15時) (レス) id: 73661a568b (このIDを非表示/違反報告)
糞 - 前見たときは、パスワードなかった気がするのに、パスワードがあって、最初が見れない！まぁ、ある程度は覚えているので思い出しながら覚えようと思います！盗作したやつひどいですね。でも、面白いから盗作した！とか、少しでも前向きに思って頑張って下さい！ (2018年9月30日 14時) (レス) id: 795dbb3df9 (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - lukulukuippoさん» ほんと、呆れちゃいますよね…。もう二度とこんな目にあうのはごめんです(;_;)生活の中の楽しみと言っていただけるなんて…！そんな大きな存在になれてるのかと思うと本当に嬉しいです！更新はまだまだ続けていきますよ！これからもよろしくお願い致します♪ (2018年9月27日 20時) (レス) id: 73661a568b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きよか。
| 作成日時：2018年7月10日 16時
