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「お前が好きだ。」
背中に回された力強い腕。
耳元で聞こえる吐息。
鼻腔をくすぐるアルコールの匂い。
くらくらする。
これは…何？
「…ごめん、いきなり。」
あ…いやだ、離れないで。
そう思って、反射的に背中に手を回して翔くんのジャケットをギュッと掴んだ。
心臓が煩くて。
重なる胸から翔くんの心臓の音も響いて。
降る雪を溶かしてしまいそうなほど身体が熱い。
「なぁ…返事は？」
耳元で大好きな低い声が囁く。
その声がいつもより甘くて。
「俺も…翔くんが好、んっ…」
俺の告白は翔くんの口の中で溶けた。
唇は冷たいのに。
熱い。
甘くて蕩けそうだった。
啄ばむような長いキスのあと、翔くんがおでこをコツンと合わせて見つめてくるからあまりの恥ずかしさに目を合わせられない。
「…潤、好きだよ。」
「…うん。」
「…やばい。超可愛い。」
「っ…バカじゃないの。」
「…ふはっ。」
「ふふっ…。あ。」
「ん？」
「…雪の音がするね。」
「雪の？雪に音なんてある？」
「あるよ…。ほら。」
「あ〜。ウン、聞こえる。」
「嘘じゃん絶対。聞こえてないじゃん。」
「いいんだよ、んなもん。
いいからさ…もっかい言って。」
「え？…ふふっ。
好きだよ。」
二度目のキスは甘く深く。
_____雪の音.
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作者名：ちょんた | 作成日時：2019年10月4日 17時
