治くんと修羅場 ページ13
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ツンツン頭の人に大声で叫ばれて人目が集まる
さっきまでも十分恥ずかしくてたまらなかったのに、もうこんなの耐えられない
「受け止めてもらって申し訳ないんですけど、そろそろ降ろしてもらえますか?」
「あ、ごめんな、すぐ下ろす」
長い間体をぎゅっと閉じられていた腕が開き、体が自由になる
「英太さん、ですよね?ぶつかってすいませんでした。あと、ありがとうございます。」
「俺は大丈夫だから気にしないで」
じゃあ、と会釈をして治くんを探そうと背を向ける
なのに手を引っ張られてそれがかなわない
自分の手の先を見ると、英太さんの手に繋がっていた
「あの、俺らもうすぐセンターコートで試合なんだ」
「はぁ......」
「うん、その試合君に見て欲しいんだ。
それで、もし勝てたら............」
だんだんと顔を赤らんでいく英太さんの顔を見ながら言葉の続きを聞いていると、突然肩に誰かの手が回される
「勝ったら、俺の彼女に何するんすか?」
肩に乗っていた手を二の腕あたりに回してさっきより強くぎゅっと力を入れられても私が抵抗しないのを見て、英太さんの手が私の手を離す
「あっちゃ〜、英太くん、稲荷崎の双子の彼女ちゃんに手出しちゃったね〜〜!!!」
「うるさい天童!もう行くぞ!」
ドンマイと叫ぶツンツン頭の人に蹴りを入れて、時間とらせて悪かったな、と笑って英太さんが戻っていく
最後の笑顔が悲しげでちょっと可哀想に思う
だけど私はそんなことを気にする時間はまったくなく、隣で人の彼女に手を出されそうになってキレている男をどうやって対処するかに頭を悩ませなければならなかった
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手羽先(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。これからも頑張ります! (2019年10月13日 22時) (レス) id: 8e4e330e27 (このIDを非表示/違反報告)
あ - なんていうかとても心があったまる小説です。読んでてこっちまで幸せになるような小説で読んでて一緒にニヤニヤしちゃいます。これからも応援してます。頑張ってください! (2019年9月23日 18時) (レス) id: 7f70572540 (このIDを非表示/違反報告)
手羽先(プロフ) - ぱにーにさん» 本当〜にうれしいです( ; ; )ありがとうございます( ; ; ) (2019年4月25日 16時) (レス) id: 8e4e330e27 (このIDを非表示/違反報告)
ぱにーに - はじめまして。この小説の始まり方がすごい私の好み過ぎるんで慣れない感想を書かせて頂きました笑新しい推しの世界を教えてありがとうございます!完結に向けてこれからも頑張ってください!応援してます! (2019年3月31日 21時) (レス) id: 66662d22a2 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - かなとさん» ご指摘ありがとうございます。大変助かりました。 (2019年3月30日 23時) (レス) id: 8e4e330e27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:手羽先 | 作成日時:2019年3月30日 23時