80：追憶の薫り�� ページ11
『薫ちゃん、薫ちゃん、薫ちゃん……！』
『会い、たい……会いたいのに、』
『何にも、見えないよ……！』
『うっ……うっ……』
『薫ちゃ、ん…………愛……し、て………』
ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー……………
薫：……………。
左馬刻：………………。
「以上が、ドライブレコーダーに残っていた雛川綾瀬さんの肉声データです」
左馬刻：オイ、何処行く気だ。
薫：離せ。今からそのクソ野郎をブッ殺しに行くからよ。
左馬刻：会話すら成立しねえ奴を殺っても綾瀬は帰ってこねえぞ。
薫：黙れ。命懸けで他人を助けた奴が死んでて事故を起こした奴が
生きてるなんておかしいだろうが。
左馬刻：良いから座れ。まだ話は終わってねえだろうが。
薫：話ならもう十分だ。綾瀬が史上最悪のクソ野郎のせいで死んだ。
それだけで殺す理由は揃ってんだろ。
左馬刻：自分の為にコロシを働くお前を見て、綾瀬はどう思うだろうな。
薫：…………………………。
「あの、それと……」
薫：何だ。
「雛川綾瀬さんのハンドバッグから、ひしゃげていますが
こんな物が………。」
そう言って警官が取り出したのは、花柄の潰れた便箋だった。
目を凝らして見てみると、女の子らしい小さな文字で
『薫ちゃんへ』と書いてあった。
薫：………！！
それを直ぐ様警官の手から奪い取ると、丁寧に糊付けを剥がし
中の手紙を読み始めた。
薫ちゃんへ
今、この手紙をオーディション会場で書いています。
こうやって面と向かって手紙書くって、ちょっと緊張するね(笑)。
ここでは、普段伝えられない事を伝えてみようと思います。
たくさんの女の子達をメイクで可愛く変身させる薫ちゃん。
サバサバして落ち着きのない私のいつも優しく側にいてくれる薫ちゃん。
碧棺くん達と一緒にいる時に時々荒っぽくなる薫ちゃん。←コラ！
どんな薫ちゃんでも、私にとってはたった１人の、世界で一番大好きな
薫ちゃんです。そんなあなたと、これからもずっと一緒にいたいです。
薫ちゃんは世界中の女の子をメイクの力でキレイに、私はそんな子達から
憧れてもらえるような素敵なモデルになりたいな。
こんな私と結婚してほしいって言ってくれてありがとう。
薫ちゃん、大好きだよ。
綾瀬
薫：あや、せ、ちゃん………。
桜のような優しい色の薫の瞳から溢れた涙は、
左馬刻に乱暴に拭われるまで止まる事はなかった。
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なゆた(プロフ) - 錐さん» いつもコメントありがとうございます。私もこんな秘書嫌です（泣）合歓ちゃん出したくてしょうがないので頑張って出演させたいですね……！！ (2019年4月18日 0時) (
レス) id: c85cb5863a (このIDを非表示/違反報告)
錐 - うっっっわ是永えげつねぇ……こんな秘書絶対嫌だ…頑張って合歓ちゃんとの絡み出してくださいね！ (2019年3月9日 22時) (レス) id: d8fc200821 (このIDを非表示/違反報告)
なゆた(プロフ) - えみゅヒプマイ沼さん» コメントありがとうございます！お褒めの言葉嬉しい限りです。これからもゆっくりですが更新していきますのでよろしくお願いしますね。 (2018年12月13日 13時) (レス) id: c85cb5863a (このIDを非表示/違反報告)
えみゅヒプマイ沼 - 初めまして。大好きです！寒くなりました。風邪などに気を付けて頑張って下さい。続きがとても楽しみ！ (2018年12月11日 10時) (レス) id: 4d0b71c31c (このIDを非表示/違反報告)
なゆた(プロフ) - 錐さん» 錐さんコメントありがとうございます！ポッセの皆をどう絡ませていくかは実はまだ全然考えれておらず……笑追々考えていくので、よろしければお付き合いください！ (2018年12月10日 23時) (レス) id: c85cb5863a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なゆた | 作成日時：2018年12月3日 15時
