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浴槽に張られた水の温度を確かめるべく袖を捲り、手を水の中へと沈めた。
『うん、いい湯加減かな』
本当だったら入浴剤などがあれば肌にも良いし、疲労回復にもなるのだけれど……そんなものは廃寮になっていたここには無かった。
あったと言えば廊下の奥に物置部屋があったくらい。だけどドアには鍵がかかっているみたいで中に入ることは不可能だった。
せっかく奥を確かめるために蜘蛛の巣でホワイトアウトされてた廊下を綺麗にしたのに………。
『ユウくーん、お風呂沸いたよー!』
ユウ「あ、はーい!」
『ついでにグリムも入ってきちゃいな』
グリム「オ、オレ様水は苦手なんだゾ……」
『なーにバカなこと言ってんの。お風呂入んないとばっちぃでしょ!それにユウくんが居るんだから、耳の火ぐらい消えないよう配慮してくれるっての』
ユウ「ほら、グリム行こう?」
グリム「うぅ………仕方ないんだゾ。風呂には入ってやるから、ツナ缶は没収するんじゃねーゾ!?」
ツナ缶を自ら天秤にかけたグリム。
最初から没収する気はちょこっとしか無かったのに。
まあお風呂に入ってくれるなら良かった。
『ユウくんたちがお風呂に入ってる間にやっちゃいますか!』
私の目の前にはひとつの部屋。
ここの掃除を始めた時にユウくんと話し合って決めた自分たちの自室。
部屋として使用できそうな所も少なく、その中から割と良さそうなところを2つに厳選しあみだくじで決めた。
何故かと言うと………
『あ〜もう、何か出そうなくらい暗いんだけど………』
厳選された部屋のひとつは階段を上がってすぐにあり、よく使われていたのか状態も1番良かった。
もうひとつの部屋は他の部屋と比べたら全然良いのだが、電気は壊れていて付かない。そして何より2階に上がった少し奥にあるのだ。
そこまで行く道のりは何か出るんじゃないかってくらい暗いのに、部屋も電気が付かないので暗いままだ。
ユウくんは後者の部屋でいいと状態の良い部屋を譲ってくれたが、それじゃ不公平だと私からあみだくじの案を持ちかけたのだ。
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白凪(プロフ) - さやたんさん» イラストの方から飛んできてくださりありがとうございます!!結構な自己投影(美化)作品となっているため、面白みが感じられないかと思いましたがそう言ってもらえてとても嬉しいです!!亀更新ですが頑張ります!!(ちなみに推しはレオナなのです.....!) (2020年8月7日 7時) (レス) id: 03f781a71d (このIDを非表示/違反報告)
さやたん - 白凪様の絵を見てたら。こちらの小説があると知って飛んでまいりました。凄い面白いです!!!更新頑張ってくださいー推しって誰ですか? (2020年8月6日 23時) (レス) id: 3595494de5 (このIDを非表示/違反報告)
白凪(プロフ) - 「 」さん» ゆっくりだけど書いていきます!! (2020年8月4日 22時) (レス) id: 03f781a71d (このIDを非表示/違反報告)
「 」(プロフ) - つ、続きが……気になりすぎる…… (2020年8月4日 22時) (レス) id: e81c17c75a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白凪 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hsn145sfam1/
作成日時:2020年8月4日 21時