名探偵の弟は特一級異能力者らしい

名探偵の弟は脱走したらしい ページ15

辻村said

「はあ……はあ……」

翌日、綾辻先生の事務所に行くと

Aさんがいなかった

「ああ、彼奴？此処に居るじゃないか」

そう言って綾辻先生はAさんを指した

そう、幻覚と気がつかなかった

勿論綾辻先生は気がついていたが

坂口先輩にはこうきつく言われている

「良いですか？Aは何人も見張りをつけていても脱走をします。そして異能を使うので呉々も逃さないように」

開始二日目で逃しました

もう！何で直ぐに逃げるのかな……

そう思いながら車を走らせる

何か幻想に特徴でもあれば良いのに

そう思いながらあたりを見回るが、何も掴めない









Asaid

『ん、じゃあまた夜に』

「うん！」

そう言って頰にキスを落として公園に向かい

水で口を洗う

『はあ……香りきっつ』

香水の香りがきつい

さて、そろそろ帰らないと怒られるな

そう思いながら堂々と道を歩く

あ、あれ辻村の車だ

逆方向から行くか

路地裏を回って道を抜けると綾辻探偵事務所の裏口

姿を見えないようにして中に入れば綾辻先生は本を読んでいた

「随分ときつい香りだ」

『俺もそう思いますよ……』

「どうだ、潜入は？」

『容易ですよ。一寸頭を弄ったら簡単でした』

会っていた女は今日の依頼者が取り返してほしいと言っている青い炎と呼ばれる宝石の持ち主

俺の異能で“俺とは長い付き合いで今日の夜家に招く”と言う嘘に書き換えた

一般市民に許可なく異能を使うには禁止だが安吾から許可は出てるので大丈夫だ

「そろそろ諦めて戻ってくるぞ」

『くくく、反応が楽しみだな』

そう言ってソファーに腰掛けたと同時に辻村が入ってくる

『あ、みっちゃんさっきぶり〜』

「な、な、な、なー！？」

そう言ってギョッとした顔で俺を見た

あー、面白い

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