名探偵の弟は特一級異能力者らしい

名探偵は判ったらしい ページ14

太宰said

「……彼は」

私は彼を知っていた

ポートマフィアにいた時に安吾について行ったときに会った

でも相手は覚えていないよう

「太宰、どうした」

「乱歩さん、先刻の……女性は」

「女性？何の事？」

真逆……忘れている？

“貴方達は私達が来た事を知らない”

あの言葉の通り？

「……成る程、異能力者が来たんだな」

「ええ」

「……知ってる奴だったようだね」

「ええ、昔の友人です」

事実だった

会ったのは数回だがいい友人だった

でも……名前が思い出せない

あの銀髪に赤い目

そして何処か嘘っぽい笑み

そこまでは覚えている

でも、思い出せない……

「……明日の夜、太宰が一緒に来い」

「え？何故です」

「招待状が来た」

そう言って乱歩さんが手紙を手に取る

それはあの女性に化けた彼が持ってきていたもの

「今宵、蒼き宝石を取り返しに参ります。名探偵殿は助手をお連れになるものですが……私は構いませんよ」

「真逆、武装探偵社に依頼が来たのも知っているのか……」

「久々に楽しめそうだ。太宰は万が一の時の為に異能を阻止してほしい」

「分かりました」

そう言って笑う

そうだ、彼は私と似てると思ってた

『……君は良いよね。自由があって』

そうだ、彼は最後にそう言って消えた

彼は、いったい何故……

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