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Episode : 044 ページ44




誰も何も言えず、シーンとしている中、阿部は少し表情が柔らかくなり、そのまま舘さんの手を握った。



ab「......宮舘くんって、すごく大人な考え方ができるんですね。尊敬します」

dt「そんなことないよ。でも、結果だけで勝ち負けがどうじゃなくて、その過程が大事だと思ったからね」

ab「確かに、そうだね...ちょっと熱くなっちゃったかも。テスト、お疲れ様」

dt「お疲れ様、次も頑張ろう」



そしてそのまま歩き出した舘さんを慌てて追いかける。そしたら、廊下にいたたくさんのギャラリーは口々に「舘さんすげぇ...」「考え方が大人だ」「賭けてた俺らバカみたい」「やっぱりああいう器の人が生徒会長だよな」と言うのが聞こえてきた。



nb「んだよ...せっかく勉強頑張ったのに、勝負なかったことにするとか」

fk「でもどっちにしろ、舘さんの株上がったんだし、結果オーライじゃね?」

dt「そんなんじゃないよ。まぁ、生徒会長にはなりたいけどさ」

nb「よっしゃ!今日は奮発してお好み焼き食べようぜ!」

fk「なんでだよ!」

iw「......舘さん、やっぱりすげぇな」



ギャーギャー騒ぎ出した2人を優しい目で見つめる舘さんにそう呟くと、振り返った彼は少し照れくさそうに笑った。



dt「そんなこと言って、照も同じだったでしょ?」

iw「え...?」

dt「1番最初に、成績とか関係ないって言ってくれてたでしょ?だから、俺もいろいろ考えられたんだよ。ありがとう」




そう言って、先に行くね、と前のふたりに追いつこうと小走りで向かう後ろ姿は、男の俺から控えめに言ってもめちゃくちゃカッコよくて






......こんな風に、俺も、堂々とできたらいいのに。なんて。



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作者名:翠恋 | 作成日時:2021年10月24日 0時

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