#032 ページ32
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家に帰る前、ふと、涼太は渡辺さんの家の前で立ち止まった。
隣の家の渡辺さんとウチの母が友達同士ということもあり、家族ぐるみの親交があった。だから、阿部の言うことが全く分からなかった。しかし、頭の片隅で誰かが"涼太！"と自分を呼ぶ声がした。誰の声なのかは、分からないが。
彼は受験勉強をする為にそのまま家に帰った。とりあえず課題を済ませてから夕飯を家族と食べ、お風呂に入ってから勉強をしようと引き出しを開けた途端、大学のパンフレットが目に入った。
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"__________はっ?!聞いてないんだけど！"
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「......えっ...？」
はっきりとした口調で、誰かにそう言われたような気がする。涼太はおもむろにパンフレットへと手を伸ばす。その下にあったマンションの案内を見た瞬間に、彼の頭の中にぐるぐると様々な記憶が蘇る。
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" うわ！また俺の負けかよ！ "
" 住む！俺、大学行く！！ "
" 俺より......大事なの？ "
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dt「......っ、しょうた！」
どうして忘れていた。いや、どうしてすぐに分からなかった。あんなに、あんなに愛しくてやまない大事な人のことを。
なにか霧で覆われていたものが晴れたかのように、しょうたとの思い出が、日々が涼太の中で鮮明に蘇る。彼はすぐさま窓を開けて隣のしょうたの部屋である場所を見た。しかし、カーテンの開けられたそこにはしょうたの部屋ではなく、物置と貸しているような状態だった。
さっきの自分の記憶といい、渡辺さんの母親の反応、そしてちぐはぐと思われた阿部と佐久間の言動に混乱をしていると突然、背後から声がした。
？『__________......あなたが、りょうたさん？』
dt「......?!誰だっ...！」
振り返った涼太の目に飛び込んできたのは、1人の美しい顔立ちをした青年で。
なぜか彼は息苦しそうで、さらにはその悲しげな表情を見た瞬間に、涼太はなぜか警戒心を解いた。何故か分からないけど、得体の知れないこの人を、なんだか悪い人じゃない気がしたから。
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翠恋(プロフ) - 玲央さん» 玲央さま、コメントありがとうございます！嬉しいお言葉を頂けて幸いです！これからも頑張ります！！ (2021年7月12日 23時) (
レス) id: fb1d0da99a (このIDを非表示/違反報告)
玲央 - 気づいたらなんか泣いてました…。感動です。 (2021年7月12日 20時) (レス) id: 68c093de5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐみみ(プロフ) - ファンタジー?になるんですかね。あまり読んだことがないジャンルなんで新鮮で面白いと思いました。めめの大切な人って康二の事だったんですね。この後の二人がどうなったのか気になります。そして本当にいつもの日常に戻ったのか?更新楽しみにしていますね。 (2020年10月3日 23時) (レス) id: 877e4b9b86 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - 海樹さん» 海樹さま、コメントありがとうございます！これからも頑張って更新して参りますのでどうぞよろしくお願いします！ (2020年8月8日 17時) (レス) id: fb1d0da99a (このIDを非表示/違反報告)
海樹(プロフ) - とっても面白いです！王子様の過去、そして未来がどうなるのか、とっても気になります！更新楽しみにしています！ (2020年8月8日 15時) (レス) id: 134b7493ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠恋
| 作成日時：2020年8月7日 2時
