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付き合って、もう数ヶ月になる。だけど、彼女とはキス止まり。なんだろう、手を出してしまうのがこわくて、ビビっている自分がいる。神聖なものに触れるような、俺が触れていいのだろうか、と思わせてしまう葵の、なんともいえない雰囲気に、毎度やられてしまう。
玄関で噛み付くようなキスだって、唇を離した後の上気した表情だって、せいじくん、と躊躇いながら呟く濡れた声だって。我慢なんてできないくらい、欲に駆られる。だけど、それ以上に進めないのは、葵のことが大切で仕方ないからなんだと思う。
彼女がマンションに泊まるのは、はじめて。一緒のベッドに寝転ぶのも、はじめて。そもそもお泊まりがはじめて。背中合わせ、他愛もない近状報告、それだけで眠るつもりだった。
それなのに。葵の言葉に、思わず体を向けてしまった。
｢…私って、その…魅力、ないかな｣
小さな背中は少し震えていた。しまった、と思った。俺ばかりが気にしていたことは、葵に誤解を与えて傷付けていたんだと、掠れた細い声に気付かされた。
｢…葵｣
｢…っ｣
｢こっち向いて｣
｢…っやだ｣
｢なんで｣
｢は、恥ずかしいから…！｣
｢顔見たい｣
｢ほんとにほんとにいや、｣
｢……じゃあ、無理やり見る｣
え、と、小さな声がした。気にも止めず、細い肩に手をかけて、少し強引に引っ張ると、あっという間に彼女は上を向いた。逃げられないように背けられないように、彼女の掌を絡めるように抑える。
必然的に彼女の上に来る。見えた表情は、久しぶりと呟いたときより、真っ赤になっていた。
｢ずるい…っ、こんな力任せ…！｣
｢葵がいやがるから｣
｢……っだって、こんなこと言うつもりなくて｣
｢……｣
｢で、も…不安で……｣
｢葵｣
｢私たち、大人なのに…って、思ったら、色々考えちゃったの…｣
｢…葵｣
｢私、スカートとかヒールとか履かないから、女の子ぽくないから…誠知くんも、そういう気持ちに、ならないかな、と、か……っ｣
｢ねえ、｣
｢年上だし、自信なく、なってき…｣
｢…もう黙って｣
頬を流れる涙がきれいだった。暗い部屋に、彼女の啜り泣く声が響いて、俺の鼓動がどくどく強くなる。
だからもう、我慢なんてできなかった。
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aoi(プロフ) - みゆうさん» こちらこそです＊楽しみにしています。 (2019年3月5日 1時) (
レス) id: 1e8b3648c1 (このIDを非表示/違反報告)
みゆう(プロフ) - aoiさん» 見てきただけて嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年3月4日 22時) (レス) id: faf8ae436c (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - みゆうさん» とてもありがたいお言葉ありがとうございます…！意識している部分でもあったので、嬉しいです＊そして実は私、みゆうさんのおはなし拝見させてもらってます。私こそ更新楽しみにしています＊ (2019年3月1日 0時) (レス) id: ddb827d49e (このIDを非表示/違反報告)
みゆう(プロフ) - aoiさんの書く小説、主人公の見ている景色や生活の雰囲気だったり、想像力が膨らんで、心がほっこりする言葉の使い方が凄く好きです。更新楽しみにしています！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: faf8ae436c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aoi | 作成日時：2019年2月28日 23時
