【黒バス】君のいる場所【原一哉】

停留所14 ページ14

学校を出たときとは違い、重い足取りで歩く。






なに浮かれてたんだろ。そりゃ、会いたいけど。






迷惑は掛けたくない、でも







それ以前に、彼に、原くんに会いたい。









小さな溜息をつくと、目の前には霧崎第一高校。








｢……着いちゃった、｣







呟いた声は誰にも届かず、もちろん下校している生徒とは違う制服なわけで。






じろじろ見られたり、小声で話している声も聞こえる。





あぁ、やだなぁ。





たまたま目の前を通りすがった男の子2人組に声を掛ける。





｢すみません、これ朝、拾ったんですけど｣







ばいばい原くんの生徒手帳。





今日一日一緒に居れて楽しかったよ。







そんなふざけたことを考えていると、男の子たちは少し嫌そうな顔で。






｢原……って今日部活あったよな?｣





｢もどんのめんどくせーし……｣








そんなことを小さな声で話していた。





全部、丸丸聞こえだとは、気が付いてないんだろうな。








｢あー……



そこの玄関、入ってもらうと事務室があるんですが、そこで入館証貰って、あっちの体育館に行ってください｣




｢原ならあそこに居ると思うんで。｣









色々なところを指さされ戸惑う。





でもきっとこれは、神様が与えてくれたチャンス。






｢……ありがとうございますっ……!!｣





深く頭を下げ、男の子たちに背を向ける。







そこで聞こえたのは、あまり聞きたくは無かった事だった。






｢原、また新しい女に手ぇ出したのかよ……｣





｢しかも今度は他校の女子だぜ……?｣








勿論のこと、聞き流す以外に選択肢はなかったけど。

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