3話 ページ5
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試合が始まり選手たちがピッチを駆け抜けていく
負けが許されないプロの世界
『いつ来ても慣れないな、この空気感』
兄はベンチスタートだった
ルールもあまり知らないし勉強しようとも思わないが責められているということだけは素人の私でも理解ができた
そして前半の4分の1を過ぎたあたりで早々に試合は動いた
相手チームに先制を許してしまったのだ
いくら苦手とは言っても兄の所属するチームだ
勝ってほしい気持ちはある
だが、追加点を許してしまう
『あーあ。』
私も思わず声が出る
そんな中一人の選手が目に止まった
あの選手私と同じくらいかな
若いのにすごいな
ボールを貰うために一生懸命に走る姿
周りの選手たちに負けないように必死に食らいつく姿が私にはとても印象的に思えた
背番号に“30”と書かれたユニフォームを纏う彼
私は彼に夢中になっていた
シュートを打つものの一向に点を決められない鹿島
私は30番の背中を必死で追っていた
『頑張れ』
無意識のうちに口から出た言葉
しかし前半のうちに彼は交代してしまった
そのまま0−2で前半は終了した
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作者名:あや | 作成日時:2019年5月2日 21時