34*ココロコロコロロ ページ35
「…満員電車で近くの人の香水の匂い移ったのかも。」
「香水?…この匂い好きじゃねぇ。」
袖の匂いを嗅いでみれば確かにする。
さっき嗅いだ甘めな匂い。
飛雄がただでさえ意識してる人で、及川さんの匂いが移ったなんて言えない。…言えない。
…ヤキモチ、妬いたりするのかな?
基本バレーの事しか考えないだろうから、ヤキモチとかそういう事気にしなそう。
いつも妬くのは私ばっかりだ。
目付きは悪いけどこの顔と身長、日常生活でも大人しいからクール系って思われてるでしょ?学力はあれだけど。
女の子からの人気があるんだよ、飛雄はっ!
好きの気持ちなら他の女の子に負けないけど、
自信なさ過ぎかな。
「…飛雄はAちゃんの匂いが大好きだもんねっ!」
「文句あるかよ。」
「…文句は無いけどさ…からかったつもりだったの。」
「好きなもんは好きなんだから、それに理由なんてねぇよ。」
「〜っ、何回も好き好き言わないで下さい!
心臓にスパイク打たれてる気分!」
「ん?」
「大好きだって言ってんの。」
分かってくれてるのかくれてないのか、飛雄は冷静で、いつも乱されるのは私の方だ。
傘を持ってくれているから、腕を組むのも手も繋げない。
手持ち無沙汰な手は彷徨わせたあと飛雄の制服の脇腹辺りを摘んだ。
雨はさっきより強くなってきた。
傘を打つ雨音もさっきより大きくなっている。
飛雄が待っていてくれたからびしょ濡れになることはなかった。
本当感謝しかないや。
「今週末なんかある?」
「午前中は部活で午後は、ふふん、潔子さんと会います。」
「そうか。清水先輩に迷惑かけんなよ。」
「美人過ぎて緊張するけど、掛けないようには気を付ける。
飛雄は部活あるよね?」
「午前中は部活で午後からは自主練してる。」
まだ一緒にいたいなぁって思うけど、もう家に着いてしまう。
会える時間は確実に減っちゃたな…
「ありがと、飛雄。
傘もだけど駅で待ち合わせとか恋人みたいで嬉しかったです。」
「みたいじゃないだろ」
「そうなんだけど、改めて。」
伸びて来た手が私の頭を撫で、撫でてる?!
飛雄そんなことできるの?!
見上げた顔は至っていつも通りで、また私ばっかり浮かれてしまう。
「また、迎えでも待ち合わせでもしてやる。
じゃあな。」
不意打ちだ。
微笑むみたいな顔して背を向けて行くんだ。
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猫 - 影山甘い感じで可愛い! (2022年3月29日 20時) (レス) @page3 id: 79f191be12 (このIDを非表示/違反報告)
牛乳パン - 飛雄ちゃん可愛いです。及川さん・・・ちょっと悲しいポジションですね。 (2020年3月26日 15時) (レス) id: a04b03fa67 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - (名前)さん» 初めまして!コメントもらえて凄く嬉しいです♪甘々の影山君をもっと書けるように頑張ります! (2019年10月2日 14時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - はじめまして!甘々の影山最高です。更新待ってます! (2019年10月2日 12時) (レス) id: 993ddb6aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカ | 作成日時:2019年9月27日 19時