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2.噛みしめる失恋 ページ2

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「気づいてたんだ。やっぱ、女って鋭いよな」



同じクラスの松川は、貴大の部活のチームメイトだ。



「1年生のマネージャーが入部したって聞いた時からね…
あ、絶対好きになるだろうなって思ってた」



貴大も大人っぽくてスマートだけど
松川は大人っぽい通り越しておっさ…いや、やめておこう。



一通り泣いて落ち込んで、落ち着いた頃に
なんで別れたの?なんて松川から話しかけてくるから
きっと今が頃合いだなって悟ったんだろうな。
バレー部のやつらって、皆こうなの?



「で、貴大とその子はいい感じなの?」

「知らん」

「なんで。もう私それくらい吹っ切れたから教えてよ」



松川は少し困ったように微笑んだ。



「俺は余計な話はするつもりはない。これ一応、花巻のためじゃなくお前のためな」



松川も大人で優しいけど
何にもないならはぐらかす必要もないわけで
つまりは貴大とその彼女は隠すくらいにはまあまあいい感じだって推測できてしまうよ。



「Aちゃん!!!!!」



松川と話していると、割り込んでやってきたのはバレー部一、いや学校一のモテ男。




「マッキーと別れたなんて俺聞いてないんだけど!?」

「いや、まだ言ってないから…」



貴大と付き合っていたこともあって、バレー部の奴らとは結構話すようになった。
及川もその一人。



「俺がいつでも慰めてあげるからね!?」

「ああ、ありがとう」



心がここにない返事をする。
これでも失恋というのはすごく悲しいもので
それでも、人を好きになる気持ちっていうのは理屈じゃないわけで
貴大が私以外の誰かを好きになってしまったことを
意外に冷静に受け止めている自分がいた。


けれど、やっぱり家に帰って一人になると苦しくて
どうしたってそれはしばらく続くんだろうな、って思うと
今はただ耐えることしかできないんだ。

3.当てのないコイゴコロ→←1.終わりの始まり



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(プロフ) - kirakirahikaru0さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます!こういう言葉をいただけると、本当に書いてよかったと思います。こちらこそ読んで頂きありがとうございました。 (2019年8月1日 10時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
kirakirahikaru0(プロフ) - 最高でした!!最後号泣でした。素敵な作品をありがとうございました。 (2019年8月1日 10時) (レス) id: 094bc50104 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ささ身さん» とても嬉しいコメントありがとうございます!私の文章で楽しんでいただけたなら光栄です!こちらこそ、最後まで読んでくださってありがとうございました。 (2018年12月16日 1時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
ささ身(プロフ) - 本当に最高でした!!涙が止まらず……面白すぎて、一気読みしてしまいました。素晴らしい作品に出会えて良かったです!!ありがとうございました!! (2018年12月16日 0時) (レス) id: ee0a51c765 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - そうさん» ありがとうございます!切ない感じ、心に届いてたなら嬉しいです!また皆様に読んでいただける作品を書けるように頑張りますね。 (2018年10月21日 10時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年9月27日 22時

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