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………ん?


あれ…今何時だ


窓の外は真っ暗。デジタル時計の明かりをつけ、時間を確認する


…1時10分。真夜中じゃん


ふと、目元に生暖かさを感じた。これは………涙?


何で涙なんか…と思い、ムクリと身を起こす


何か夢を見たような気がする。どんな夢かは思い出せない


リモコンで部屋の電気をつけた。目が眩む。私は涙を拭った


それでも涙は溢れてくる


何で涙なんか流してんだろう。何も悲しくなんてないのに


それどころか、胸には何の感情も湧いてはいないのに


あー…クソ。止まんない


てか、喉乾いた


私はメガネをかけ、部屋の扉を開けてキッチンに向かった


暫く廊下を歩いて、キッチンの扉の前に立った


ん?明かりが漏れてる…


消し忘れ?それとも誰かいるんだろうか。私は扉を開ける


ガチャッ


お「あ。Aちゃん」


そこにはおそ松さんがいた。換気扇を回してタバコを吸っている


お「どうしたの?こんな時間に」


『目が覚めて…喉乾いたので』


お「ふーん。じゃあさ」


おそ松さんは短くなったタバコを灰皿に押し付け、私の前に立つ


そしてその大きくてゴツゴツとした手を、私の目に当てた


お「何で泣いてんの?」


『あ…』


気付く。涙は止まることなくずっと溢れて続けていたんだ


『これは…何か、目が覚めたら流れてて…拭っても、ずっと出てきて…』


途切れ途切れに、つっかかりながらそう伝えた


お「…そっか」


おそ松さんはニカッと笑い、冷蔵庫を開けて作り置きしてあるお茶をコップに入れた


それを私に差し出す


『ありがとうございます』


喉を鳴らして飲むと、体の隅々まで水分が行き渡る様な心地好さが広がる


『…こんな時間まで起きてるんですか』


お「まっさかー!俺がそんな起きてられると思う?」


『………』


そんなわけないって思うけど、言ったら失礼だろうか


お「今そんなわけないって思ったでしょ」


見透かされ、表情が強ばる


お兄ちゃんにはお見通しだよーと笑うおそ松さん


いつの間にか、涙は止まっていた

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vqtamane(プロフ) - 狼さん» そうです! (2016年11月12日 17時) (レス) id: 15a0daf26d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - vqtamaneさん» もしかして、「言の葉の庭」ですか?? (2016年11月12日 17時) (レス) id: 58930f1021 (このIDを非表示/違反報告)
vqtamane(プロフ) - 狼さん» そうなんですか!私はあるアニメで知りました。 (2016年11月12日 15時) (レス) id: 15a0daf26d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - vqtamaneさん» 本当ですか!ありがとうございます!!これからもよろしくお願い致します!私もあの詩大好きだったんで、ちょっと使わせていただいたんですwちなみに万葉集です! (2016年11月12日 9時) (レス) id: 58930f1021 (このIDを非表示/違反報告)
vqtamane(プロフ) - とても面白いです!あの 詩、大好きです! (2016年11月11日 22時) (レス) id: 3c6805cf87 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年8月25日 19時

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