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『……』


不穏な空気が流れ出すリビング


神崎ファミリーに誘拐され、無事救出された私は、皆さんにお説教されていた


カ「俺達が助けに行かなかったらどうなっていたか…」


『ごめんなさい…』


チ「もっと自分を大事にしてよ。Aちゃん、裏社会では有名なんだから軽々と他のマフィアのアジトになんて近づいちゃダメ」


『はい…』


一「…分かってるよね?」


『重々承知シテオリマス…』


ト「一松兄さん何したの…いや、でも今回のは僕にも責任あるよ。ごめんAちゃん、僕が無理強いしたせいで…怖かったよね」


トド松さんの言葉に、私は慌てて首を横に振った


『とんでもないです』


むしろ私は嬉しかったのだ。少しでもいい、私の事を信用して仕事を任せてくれた


だが、期待に応えることはできなかった


十「でもAちゃんに怪我なくて本当に良かったよー!」ギューッ


強く優しく抱き締めてくれる十四松さん


その暖かさに、ジワリと涙が目に浮かんだ


『ご、ごめんなさい……ヒック…うっ…』ポロポロ


目頭が熱くなって、透明な丸い粒が、うつむいた私の膝の上に落ちた


十「わっ泣かないでよ〜!」


ト「よしよしっ」ナデナデ


チ「ちょっカラ松兄さん泣かすなよ!」


カ「お、俺か!?…いやだが、Aも反省してるみたいだし、これくらいに…」


すると、今まで黙っていたおそ松さんがソファから立ち上がった


ト「ちょっおそ松兄さん…?」


ベリッと十四松さんとトド松さんを私から引き剥がした


平手打ちや殴られることを覚悟した


いや待て。もしかしたら「もう出ていけ」って言われるかもしれない


松野ファミリーから外されるかもしれない


その可能性を考えた途端、心臓がドクンと跳ね、全身の血管がギュッと絞まった気がした


嫌だ、ここから離れたくない。皆と一緒にいたい


殴ってもいい。蹴ってもいい。いや、暴力で済むなら私なんてボコボコにしてくれて構わない


だから、その言葉だけは…言わないで


フワッ


『…ッ?』


強ばった私の体を、暖かい体温が包んだ


嗅いだことのある、煙草と柔軟剤の匂い


それは


お「無事で良かった…本当に」


おそ松さんだった

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vqtamane(プロフ) - 狼さん» そうです! (2016年11月12日 17時) (レス) id: 15a0daf26d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - vqtamaneさん» もしかして、「言の葉の庭」ですか?? (2016年11月12日 17時) (レス) id: 58930f1021 (このIDを非表示/違反報告)
vqtamane(プロフ) - 狼さん» そうなんですか!私はあるアニメで知りました。 (2016年11月12日 15時) (レス) id: 15a0daf26d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - vqtamaneさん» 本当ですか!ありがとうございます!!これからもよろしくお願い致します!私もあの詩大好きだったんで、ちょっと使わせていただいたんですwちなみに万葉集です! (2016年11月12日 9時) (レス) id: 58930f1021 (このIDを非表示/違反報告)
vqtamane(プロフ) - とても面白いです!あの 詩、大好きです! (2016年11月11日 22時) (レス) id: 3c6805cf87 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年8月25日 19時

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