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一「『………』」
耳が痛くなるほどの沈黙が訪れた
既に銃声は聞こえず、きっと屋敷の人達は皆殺しにされたんだろうな〜と呑気に考える
一松さんは車に私を乗せて、自らも車に乗った
そして私の両手首を片手で掴み
ガブッ
『いぃ…(涙)』
私の首筋に噛みついた
これ二度目だよ、昨日されたばっかりだよ
抵抗しようにも私の手は彼の手で拘束されており、背中はシート、後頭部を彼のもう片方の手で抑えられていて、逃げ場など何処にもなかった
『ぅ…ん…』
時々甘噛みになったり、噛みながら舌で舐められたりして、何かゾクゾクした。よく分かんないけど
そしてようやく噛むのをやめたと思ったら、強く強く抱きしめられた
『一松さん』
一「…」
応答なし。と思いきや
一「お前まで…」
『え?』
一「お前まで俺の前から、消えんの…?」
『…!』
寂しそうな、消え入りそうな声で
一「どっか、行くなよ…離れていくなよ…」
『何処にも行きませんよ?松野ファミリーから離れる気は((一「そうじゃない」?』
一「俺の前から、いなくなんなよ。二度と…」
あ、そういうことか。松野ファミリーから離れんなよってことじゃなくて、自分の前から消えないでくれって意味か←鈍感
『それも含めて何処にも行きません』
一「ほんと…?」
『本当です』
ゆっくりと、離れていく体温が名残惜しかった
私の目をじっと見つめる。綺麗な目だな…紫色の、闇を連想させる綺麗な瞳
その瞳が私を掴んで離さない
一「…もう一回こんなことしたらもっとやるから」
『それは怖いですね、善処します』ニコッ
下手くそな私の笑みを見て、一松さんも頬を緩めた
一「じゃあ俺行ってくるから、車から出ないでね」
『はい。あ、あの』
一「?」
『あの、後で皆さんにも言うつもりなんですけど…ありがとうございました』
一松さんはいつもの気だるげな目を少し開いた
一「ん…」
再び後頭部に優しく手を添えられ、一松さんは目を瞑り、私の頬にキスをした
『///』
少しだけ熱く、そして赤くなる顔
一松さんも同様だった
一「じゃあ、後でね」
扉が閉じられ、鍵をかけられる
屋敷に戻っていく一松さんの背中を、いつまでも見ていた
*
作者「なんか一松押しになってきましたね。作者一松ガールだから自然とこうなっちゃうんです…スミマセン……」
あ、あと一松がこの話で「お前“まで”俺の前から消えんの」と言っていますが、誰なんでしょうかね?←知るか
猫でも死んだんでしょうか?そう思うと切ない…
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vqtamane(プロフ) - 狼さん» そうです! (2016年11月12日 17時) (レス) id: 15a0daf26d (このIDを非表示/違反報告)
狼(プロフ) - vqtamaneさん» もしかして、「言の葉の庭」ですか?? (2016年11月12日 17時) (レス) id: 58930f1021 (このIDを非表示/違反報告)
vqtamane(プロフ) - 狼さん» そうなんですか!私はあるアニメで知りました。 (2016年11月12日 15時) (レス) id: 15a0daf26d (このIDを非表示/違反報告)
狼(プロフ) - vqtamaneさん» 本当ですか!ありがとうございます!!これからもよろしくお願い致します!私もあの詩大好きだったんで、ちょっと使わせていただいたんですwちなみに万葉集です! (2016年11月12日 9時) (レス) id: 58930f1021 (このIDを非表示/違反報告)
vqtamane(プロフ) - とても面白いです!あの 詩、大好きです! (2016年11月11日 22時) (レス) id: 3c6805cf87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狼 | 作成日時:2016年8月25日 19時