【マフィア松】ハッカー少女、誘拐しました

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指を動かし続けて何時間になるだろう


目の前のセキュリティの壁が壊される


『できた…！』


息を吐いてイスの背もたれに体を預ける


メガネを外すと、長時間の目の疲れのせいか目眩がした


だがそんなの気にもならない程、私は達成感と満足感に包まれていた


朝からの大仕事のせいか、睡魔が襲ってきて、私はベッドに倒れ込んだ


私は再び深い眠りに落ちていく


・


真っ暗な闇。ここはどこだろう


ふと、後ろに人の気配がした


『お父さん…お母さん』


可笑しい。これがいつもの夢なら、お母さんとお父さんはあの覆面男に殺される筈なのに


あの日に逆戻りする筈なのに


父「A。お前はお前が決めた道を歩みなさい」


足が重くて動かない


母「人を嫌いにならないで。自分の信じる道を、そして信じられる人を見つけて」


見守っているから


二人は遠ざかっていく


今更のように軽くなった足を二人の方へ向かわせる


『ねぇ待ってよ！！！行かないでよ！！！』


この悲痛な声は誰の声？


私の声


ねぇ、あと何回貴方達に手を伸ばせばいいの？


手が届く日はいつか来るの？


答えて


行かないで

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