滅びの国の魔法の学び舎 part.2【HQ!!】 (ページ10)

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「脅してんじゃねえよ、及川。黒尾も」

ため息をつきながら腕を組む岩ちゃん？先輩。一目見ただけで分かる。この人男前だ、と。

どうでもいい事で感動しながら岩ちゃん先輩を見上げる。……及川先輩と話すより見上げなくて楽だ。

「蒼海つったか？あ俺岩泉だ。あと、及川の言ったことは気にしなくていいからな」

私がじーっと見つめていたからかどこか居心地の悪そうにそう切り出す。

私は頷いて、

「及川先輩の言葉を気にしてたらキリがないですもんね」

そう言うとお、おう、確かにな。と引き気味に言った。

「はーい、じゃあ皆集まったからやろっか！」

及川先輩が中庭の真ん中で言う。その声で、全員がそちらを向いた。そういう存在として見られているのか、それともそういう魔法を使っているのか。

それは分からなかった。

及川先輩の事など何も知らない私から見たら、及川先輩は天才に見える。努力をしなくてもそれなりの才能があって、それを努力して磨いたような、そんな天才。

私とは程遠い存在で、きっと何も知らないうちは、純粋なうちはそれに憧れるだけなんだ。だからこそ、それを壊されたら"復讐"その言葉に取り憑かれる。

最強だった父さんが、無力な人間だと知った時私は、父さんを信じられなくなったんだ。

魔法も、憧れていた魔法騎士も。でもさ、やっぱりなりたいと思うから。

もしかしたら違うんじゃないか。そう期待をするから。私が魔法騎士になりたい理由は、それだ。