赤葦君が年上の大学生に一目惚れする話 (ページ4)

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来てしまった・・・

お小遣いの使い道は基本バレーか木兎さんやチームメイトと帰る時に買い食いをするだけだから余裕があるが流石に２日連続で家族にケーキを買っていくのは両親に不振がられるだろう

どうしたものか

考えるよりも先に足が動いてしまい、何も考えずお店の中へ足を運んだ

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俺はケーキのショーケースではなく焼き菓子が陳列されている棚を見ていた

『こんばんは。いらっしゃいませ。何かお探しですか？』

柔らかい声音が聞こえた

彼女がそこにいた。

俺は今何を話せばいい

平常心を保て

ポーカーフェイスで

「あ。いや。何かいい焼き菓子を探しているんです。」

あまりにも焦りすぎて変な日本語になっている気がする

『誰かへのプレゼントですか？彼女さんに・・とかですか？』

「いえ。違うんです。自分用に。」

『そうなんですね！何か好きなお菓子とかありますか？』

「お姉さんのおすすめはどのお菓子ですか？」

『私のおすすめはこのフィナンシェとバニラクッキーです！フィナンシェはしっとりとした舌触りで程よい甘さが、バニラクッキーはサクサクホロホロの食感がとてもおいしくて！！』

まんべんの笑みで説明してくれている彼女に終始目を奪われてしまい内容がいまいち入ってこなかったが彼女のおすすめの二品を買って帰った

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『ありがとうございました。また、お待ちしております！』

帰宅してそうそう母に何かいいことあった？と聞かれたがそんなに顔にでていただろうか。普段感情があまり表にでないと言われているのにそんなにわかりやすかったのだろうか

自分の部屋で着替えを済ませカバンから先ほど購入したお菓子を取り出した。

『また、お待ちしております！』

誰にでも言っているような言葉なのに俺は忘れることが出来ない

恋とは本当に危険なものだとつくづく感じる

木兎さんは以前彼女が出来た時のスパイクの調子は絶好調だったが別れて一週間は絶不調だった。

俺は内心そんな感情に俺は振り回されないだろうと思っていた。

しかし今はどうだろうか。

授業中も練習中も全ての時間彼女のことで頭が一杯である。

今週はもうあのケーキ屋さんにいく時間が取れなさそうだがまた来週の水曜日に行ってみようと俺は心に決めた。