tiramisu ページ25
時は過ぎて俺は高校三年生を終えようとしていた
春高という大きな山を乗り越えた先には
大学受験という大きな山が待ち構えていた
塾に通いながらAさんに勉強を教えてもらっていた
正直志望校をAさんの通っている大学にするか迷っていたが
Aさんが真剣に考えろってすごい顔で言ってくるから結局こっちの大学にした
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試験の前日。
緊張している訳ではないがどうしてもAさんの声が聞きたくなった
最後の追い込みで最近は夜電話もしていなかったし
勉強を教えてもらうこともしていなかった
「もしもし。
今時間あります?」
『あるよ〜
突然電話なんて珍しいね。
明日緊張してる・・・?』
普段は抜けているのにこう言う時だけ
俺のことをすぐわかってくれる
「・・・してると思います。
けど、明日Aさんに会うことだけ考えてます」
『ちゃんと集中してよっ!!
明日は数学とか確認するためでしょ。
デートは京治くんが目標を達成してからってお約束じゃん』
「わかってます
Aさんの声聞けて安心しました
明日、Aさんに会うために頑張ります」
『はいはい。
しっかり休んでね。
おやすみなさい
私も声聞けてよかった。』
ちゃんと聞こうとしないと聞こえない声で
彼女がポツリと言った
「ちゃんと名前呼んでくださいよ。
肝心なところ恥ずかしがらないでください。」
『京治くんおやすみなさいっ!!』
「おやすみなさい。
大好きですよ。」
『そんなこと言う余裕があるなら大丈夫だね!』
と言ってとうとう電話の時間は終わってしまった
朝起きるとAさんからメッセージが来ていた
ー今まで頑張ってきたから大丈夫だよ
誰よりも京治くんの努力見てきたから自信持ってー
この文章にどれだけ勇気づけられたか
初めての試合より全然緊張することなくいつも通り解くことができたと思う
試験会場を出るとAさんが待っていた
『とりあえず、1日目お疲れ様〜
風邪引くといけないから今日は私の家でいい・・・?』
「ありがとうございます。
俺、後1日頑張ったらご褒美くれます??」
『全部終わるまでって言おうとおもったけど・・・
ちょっとなら?』
そうやって笑いながらなんでも俺のして欲しいことをやってくれるのを俺は知っている
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水無月のぞみ - 終わり方が中途半端だね。幸せにならないと終われない! (2月3日 14時) (レス) id: ba8b16685c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なが | 作成日時:2021年1月14日 1時