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今日は俺の好きな菜の花のからし和えがあった
『赤葦くんが好きだから頑張って作ってみたんだけどどうかな・・・?』
なんて言いながらおずおずとお皿を出す彼女がそれはそれは可愛くて今にでも自分のものにしたいと思ってしまった気持ちは奥底にしまって冷静を保った
「ありがとうございます。すごく嬉しいです。
正直今日、めちゃくちゃ練習で疲れてて・・・」
横並びになりながらご飯を食べるのはもういつものことで、食べ物を口いっぱいに頬張る彼女を横から見れるのは俺の特権だ
食べ終わって俺が帰る時間までたわいもない話で盛り上がっていると突然彼女が
『赤葦くん、私に甘えて!!!
今日疲れるんでしょ?
私にできることあったらなんでもするよ?』
といって後ろから抱きついてきた
俺よりも10センチ以上小さい彼女が俺の背中に乗っているのは滑稽だった
けれど
その何百倍愛おしかった
「じゃあ、お言葉に甘えて・・・
俺の膝の上乗ってください」
『・・・それって私が甘やかされてない?』
「俺のしたい事付き合ってくれるんですよね」
『それはそうだけど・・・』
「じゃあこのまま動かずに俺に抱きしめられててください」
『そ、それだけでいいの・・・?』
そいって振り向いた彼女を見て俺はダメもとでお願いしてみた
「じゃああと一つ
名前
『え?』
俺のこと名前で呼んでください」
そう言ったら一気に顔が赤くなって心なしか体も暖かくなっていた
やっぱり無理か・・・
まだ早かった・・・と思っていた
『け、け、けーじくん』
あまりの破壊力に彼女の肩に顔を埋めてしまった
「もう一回言ってください・・・」
『・・・・・・・京治くん』
2回目ははっきりと俺の名前を呼んでくれた
しばらく沈黙の時間が続いた
でもそれは、苦しい沈黙ではなくて
幸せな沈黙だった
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水無月のぞみ - 終わり方が中途半端だね。幸せにならないと終われない! (2月3日 14時) (レス) id: ba8b16685c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なが | 作成日時:2021年1月14日 1時