#92 口数 ページ42
そんなこんなで時は過ぎ、行かなくてはならない時間となってしまった。
…のに。
「い゛ぐな゛よォォ!!Aーーーッ!!」
「もう行かなきゃ行けないんだけど…」
こんな感じでなく某ギャンブラーと某ヴィジュアル系バンドのボーカルと某ホスト(素)
「ティッシュ持ったか?ハンカチは?スマホは?推薦状は?」
「持ったよ。この確認何回目?10回目くらい?」
心配性()な保護者組。
その他にも、こんな時でも笑かそうとしてくるお笑い芸人とか、こんな時でも嘘ですよ♡してくる小説家とか、ツンデレ()とか、俺のせいってめっちゃ連呼してたりとか、ついて行くって駄々こねてたりとかetc…
仕方ないから言霊で黙らせるか(本当はしたくないけど)
「言霊 対象:この家に居る人間 口を塞げ」
やっと静かになった…
「みんな」
視線が私に集中するのが分かる。視線を感じながら玄関の扉の開く。
「行ってきます!!」
そう言い終わると同時に言霊の解除を心で唱える。と
『行ってらっしゃい!!A!!』
多少のズレと語尾の違いはあったものの、そう言ってくれている事を確認して、玄関の扉を閉じた。
ーー
うん。最近ずーっとリザードンに乗ってたから、今日はアーマーガアにするか。
時間に余裕がある訳では無いが、そんなことを考えることはできた。
カラン
「アーマーガア!乗せて欲しいんだけど…」
<…嗚呼。乗れ>
見ての通りアーマーガアは口数が少ない。
でもきっと(あくまでも憶測だけど)照れてくれている。所詮照れ隠しと言うやつだ。
乗ったあと、アーマーガアが上空に上がるタイミングでアーマーガアにこう言った。
「全速力で飛ばして!!」
願うとアーマーガアは決まってこう応える。
<了解。A>
と。
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作者名:灰かぶり | 作成日時:2020年7月5日 21時