見初められたは良いんだけど私には荷が重すぎたようで 【鬼灯の冷徹】

閻「卑屈過ぎない！？」 ページ10

色鮮やかな大きな建物。

そう、かの有名な閻魔大王様の御殿である。

私のような節足動物以下の存在がこんな立派な所に居ていいのでしょうか。

「あっ、鬼灯くん！どうだった？いた？」

鬼「ええ、こちらの方です。Aさん、こちらが閻魔大王です」

手のひらをこちらに向ける鬼灯様。

えっ、ちょ、突然ですか。

『は、はじめまして、Aと申します！よろしくお願いしまあだっ！？』

唐突に頭に衝撃が走り、盛大にセリフをミスってしまった。

バサバサと足元に落ちてくるのは、書類。大量。

「あああっ！！すみません！大丈夫ですか！？」

『〜〜〜っ、だい、じょうぶ、です…』

おかしいな、紙ってこんなに重かったっけ。

見事に後頭部を直撃した忌ま忌ましき書類共は、名も知らぬ獄卒さんに運ばれて行った。

閻「…えっと…本当に大丈夫かな…？」

『はいっ、閻魔大王様が頭の隅にとどめておくだけでも余分な事なので、忘れて頂いて結構です。
改めて、よろしくお願いします』

ぺこり、頭を下げればなんだか微妙な空気。

閻「ちょっと、鬼灯くん！この子卑屈過ぎない！？(ヒソヒソ」

鬼「ええ、そうなんですよ。異様に自分に自信が無いようで…(ヒソヒソ」

な、なんか話されてる…！？

早速低評価を喰らってしまうのか！？

挽回しようにも、何をしたら良いのやら。

ああ、不甲斐ない自分の馬鹿野郎。





元阿鼻地獄書類整理係、A。

新しい職場は、いいところそうです。







ですが、私のメンタルは早々に破壊されそうな模様です。

『物置をお借りしてました』→←崩壊寸前です

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