見初められたは良いんだけど私には荷が重すぎたようで 【鬼灯の冷徹】

鬼「…えーと」 ページ6

室内に入ると、大量の書類の山。

その一つ(崩れている)の前に、《彼女》らしき人がいた。

鬼「あn『すみませんすみません！！』…は」

突然の謝罪。しかも90度のお辞儀付きで。自分は何かしただろうか。いやしていない。

『あっあの、何か書類に不備でもありましたでしょうか…！？』

鬼「…えーと」

頭を下げているため、誰かと間違えているらしい。室内が暗いのも災いしている。

鬼「とりあえず、落ち着いて下さい」

『………え』

沈黙。それはもう痛いほどの沈黙。

それを破ったのは、意外にも彼女の方。

『うわああぁぁぁぁぁっ！！？！？』

唐突に勢い良く後ずさりして壁に背をつける彼女。一体何があったと言うんだ。

『しゅ、主任じゃない……！？』

鬼「ええ、違いますけど」

暗くてよくは見えないが、相当慌てているようだ。

これではまともなコミュニケーションすら取れない。そう判断した鬼灯は、壁にあるスイッチを入れた。

『あっ……！！』

第一印象。 なんだこいつ

それはもう見事にボッッッサボサの床まで届きそうな金髪で顔は見えない。その上、ブカブカの羽織を纏っているため外見から性格などを推測するのは無理臭い。

鬼「もう一度言いますけど、落ち着きなさい」

『はっ、はい！すみません！』

不安気にワタワタしていた彼女も、鬼灯の一言で少し落ち着く。

前途多難。鬼灯は少しばかり後悔を感じていた。

『無理です！そんな大それた役目…！』→←面倒なんだ

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