鬼「返答をどうぞ」 ページ17
本を渡すと、彼女はすぐに読み始めた。
彼女、読むのが早い。おっそろしく早い。
多分1ページに1〜2秒くらいでめくっている。
だが目はしっかりと動いているので、読んでいることはわかった。
大体10分くらい経った頃に、本を鬼灯に返す。
『読み終わりましたけど…あの、何g「19ページの後ろから8行目」へ?』
鬼「聞こえませんでしたか?19ページの、後ろから8行目を詠んでください」
突然の要求に戸惑った彼女だったが、口を開くのにそう時間はかからなかった。
『一つは「他界」。自分たちの生きている世界と別の世界、つまり「この世」と「あの世」という二つの世界が存在しなければ地獄も存在しない。
…ですよね?』
鬼「…」
眉間にしわをよせ、彼女を睨む(実際睨んではいないが目つきのせいでこう見える)鬼灯に、初対面の時と同じくオロオロとし始める。
『あ、あの、何か違いましたか…?それとも、何か鬼灯様のお考えにそぐわないことでも…?』
恐る恐る、鬼灯の顔色を伺う。
そんな彼女の手を、鬼灯は唐突にガシッと掴んだ。
『ひいっ!?ごっ、ごめんなさいごめんなさい!!あのっ、何か失敗したならやり直しますから「Aさん」はいっ!』
当然の事ながら、彼女の精神は崩壊寸前。
上司の前で失態を晒してなるものか、というか細い意識だけが、彼女をかろうじて繋いでいた。
鬼「…やはり、私の目は間違っていませんでした」
『え?あ、あの、鬼灯様…?』
鬼「貴方の瞬間記憶能力は非常〜に役立ちます。そこで貴方を、
【閻魔庁第二補佐官】として、正式に採用します」
彼女の唯一見える口元が、あんぐりと開いている。
鬼「異論は認めません」
どうせまた「自分にはもったいない役職だ」とか言い出すのだろう、その考えは正解も正解。
先手を打たれた彼女に、為す術は残っていない。残っているはずもない。
鬼「さあ、返答をどうぞ」
彼女は、聡かった。実に正確に、的確に、自分が一番損をしないように
『………はい』
自分の性格を考えないようにして、受け入れた。
その判断が正しいのか間違っていたのか
それは、これからも誰にも分からないだろう
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藤花(プロフ) - 2Dの皆は俺の嫁(一部除く)さん» マジですかwあと、ヒット数低下については別に気にしなくていいんじゃないですか?私の経験上、続編行けばもっと減っちゃいますよww私のだってひどい有様ですからwww (2014年5月9日 19時) (レス) id: 08ede39e9a (このIDを非表示/違反報告)
2Dの皆は俺の嫁(一部除く) - 藤花さん» あ、そっちでしたか!大丈夫ですよ、私なんてここ最近まで評価の仕組みがよく分かりませんでしたから←ぇ (2014年5月2日 22時) (レス) id: 50bb1b0076 (このIDを非表示/違反報告)
2Dの皆は俺の嫁(一部除く) - selen_casinoさん» ありがとうございます!さあ頑張って更新してきます!期待にそえるように限界突破しますよー! (2014年5月2日 22時) (レス) id: 50bb1b0076 (このIDを非表示/違反報告)
selen_casino(プロフ) - すっごく面白かったです!続きも期待しています! (2014年5月2日 0時) (レス) id: 111c287158 (このIDを非表示/違反報告)
藤花(プロフ) - 2Dの皆は俺の嫁(一部除く)さん» 鬼徹、ジャンル不明、駄作フラグ乱立中って奴ですよwwあ、これキーワードだすいませんキーワードでした((← (2014年4月29日 12時) (レス) id: 08ede39e9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:2Dの皆は俺の嫁(一部除く) | 作成日時:2014年4月5日 16時