見初められたは良いんだけど私には荷が重すぎたようで 【鬼灯の冷徹】

それは…やばい… ページ13

声のする方に行ってみると、あの忌ま忌ましき書類をぶつけてくれた張本人の獄卒さん。

いいえ、恨んでなんていませんとも、ええ。

さて、話しかけなければ。頑張れ自分。

『あ、あの…どうかなさったんですか？』

「え？あっ、さっきの！すみません…」

丁寧に頭を下げてくれる獄卒さん。やめてください、落ち着きません。いえ反省の気持ちは受け取りますが。

「実は…先程貴方にぶつけてしまった時に失くしてしまった書類が一枚ありまして…」

それは…やばい…

何がやばいって、鬼灯様のお叱りが恐ろしい。

短時間一緒にいただけだが、あの方の恐ろしさは十分、十分わかった。

多分顔の原型をとどめられたらいい方だと思う。

でも、助けられるかもしれない。

『そ、その書類って内容はわかりますが？』

「え、購入した武器の費用ですけど…」

『何枚目ですか？』

「えっと、確か34枚目だと…」

えーっと、34、34…

『衆合地獄・新卒研修用軽量金棒30本・合計35000円。
従来の鞭が劣化、新しく導入した竹の鞭・2800円。
亡者の連行用・麻縄50m・1700円』

「……え？」

『メモ、とってください…』

「あ、はいっ！」

見ていてよかった。役に立つことができていると、思う。

あの失態は挽回できるだろうか…これくらいで…



まあ、やっぱり菓子折りは持って行こう。

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