【第16話】白装束の少年 ページ18
ズキズキとする額の痛みに、私ははっと目を開けた。今日で何回目の頭痛だろうか……と疑問に思ったが、考えても仕方が無いのでそっとその場から立ち上がり、辺りをぐるり、と見渡した。
そこは殺風景、という言葉で言い表せないほど真っ黒な世界だった。一寸の光さえも見えない空間は震える私の体を蝕むように、より一層闇の色を濃くした。
それから逃げるように自分の腕を抱いた私は、行く宛も無いまま、闇の中をゆっくりと進んで行った。
進むのは怖いけれど、このまま居ても居心地が悪いままだ、という気持ちがあったからである。
A)「誰か……誰かいませんかー？」
せめて人が1人でもいれば……そんな淡い期待を抱きつつ歩みを進める私。それでも返事は帰ってこない。パニックになるのを必死に押さえ、私は更に暗闇に目を凝らした。すると、
「ぐすっ、」
鼻を啜る音が聞こえてきた。続けて聞こえるのは、まだ幼い、あどけない子供の泣き声だ。
A)「誰かいるんですか…？」
泣き声がする方に目を向けると、そこに居たのは……
薄手の白い着物を纏った、小さな男の子だった。震える膝を守るように抱えて蹲り、抑えるような啜り泣きをしている。
「絶対に、許さない……制裁する」
一体何があったのだろう？
「あの人を……返してよ、返せよ…っ」
絞り出すような声で紡いだ悲痛な願い。
＿＿＿どうしたの？大丈夫？何があったの？
そう言いたいのに、口から出てくるのはただの掠れた空気だけ。
私が迷っている間に、その子の姿は段々遠ざかって行く＿＿＿＿
A)「待って…！！」
お願い、1人にしないで！
置いていかないで！！
君の名前は…！？
A)「待って！！！」
そう叫んだ瞬間、私の意識は一気に浮上して現実世界へと引き戻されていた。
A)「＿＿っ！」
急に私の視界に入ってきたのは……何処かの部屋の天井だった。
先程のは夢だったのか、と息を吐きつつ、私はゆっくりと上半身を起こしてその部屋の中を見渡した。
部屋の中には所狭しと本が積み上げられていた。その他にも何かの液体が入った瓶、得体の知れない物体、そして金魚のぬいぐるみなどが置かれている。
A)「此処は……」
「私の部屋ですよ」
私の疑問をいとも容易く解決する台詞を言いながら部屋に入ってきたのは、閻魔大王第一補佐官の鬼灯様…という方だった。
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ゆず(プロフ) - すみません！3シリーズを見たいのですがパスワードを知りませんので教えていただけないでしょうか？ (11月9日 11時) (
レス) id: f05f2119f4 (このIDを非表示/違反報告)
あいもん - 続きが気になりすぎて寝れません。パスワード教えてもらえますか。 (2021年1月10日 18時) (レス) id: 8700edf818 (このIDを非表示/違反報告)
sky☆(プロフ) - 琴魅さん» ありがとうございます！頑張りますね^ ^ (2015年7月24日 6時) (レス) id: 9f11fcf1ca (このIDを非表示/違反報告)
琴魅 - 楽しみにしています！ (2015年7月24日 0時) (レス) id: e94cb77da7 (このIDを非表示/違反報告)
sky☆(プロフ) - 案をありがとうございます！OKです。本編が少し落ち着いたら、番外編を書かせていただきます^ ^ (2015年7月23日 23時) (レス) id: 9f11fcf1ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sky☆ | 作成日時：2015年3月7日 8時
