転生したら弱井トト子になっていた件について【おそ松さん】

【序章】 ページ1

突然だが。






いや、本当に突然だが。






私は交通事故で死んだ。





ゲームのやり過ぎで朝寝坊をした挙句、





道路に飛び出した猫を助けようとして、大型トラックに跳ねられて死んだ。




我ながら如何にもテンプレ乙な死に方だ。




いや、後悔はしていない。私は無類の猫好きだ。猫を助けられたなら別に構わない。強く生きろよ猫。私の代わりにしっかり人生…否猫生を楽しめ。



だけど来月から始まる新アニメの「ご注文は野ウサギですか？」を見たかったし、明日発売のゲーム「王国心 �掘廚睛縮鷓僂澆世�らしっかりプレイしてオタ友と語り合いたかった。それにイベントも来月あったし、コミケにも行ってコスプレイヤーさんと写真撮ってYourTubeでレトルトカレーさんやMIKAKINさんの実況を見て＿＿＿





………結論から言おう。私はめちゃくちゃ後悔している。人生折り返し地点にすら行っていない、しかもやり残したことなんて山ほどあるに決まってる。そんな心半ばで死んだ私は、トラックの運転手にこう言いたい。「土下座して詫びろこの野郎」と。そう、あくまでも猫は悪くない。悪いのは居眠り運転をしたあの運転手だ畜生め。



何も見えない真っ暗な空間の中、私はそうやって心の中で悪態をつくしかない。というかそれしかやることが無かった。解せぬ。








そんな時だった。









「………A…」








私を呼ぶ声がする。






誰だろうか？両親？友達？兄貴？









「……て、貴方……A……」









次の瞬間、私の意識は真っ白な空間へと引きずり込まれた。

【第1話】転生先は赤ん坊でした→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す