転生したら弱井トト子になっていた件について【おそ松さん】

【第1話】転生先は赤ん坊でした ページ2

突然真っ白な場所に引き込まれた私は、何度も何度も瞬きを繰り返した。視界はぐるん、と反転していて、私から見えるのは明るすぎるLEDランプ。あまりにも眩しすぎて目を細めてしまう。他に何があるのだろうか、と首を動かして見ようとするものの、思うように首が動かない。

はて、そんなに私の体は硬かっただろうか？いやいや、そんな事は無いはず……前屈すればギリギリで足の先まで届いたくらいだ。だから極端に硬いはずはない。

もう一度、と言うようにぐぐ…と首や手を動かそうとしたが、やはりてこでも動かない。この野郎、何故私の言うことを聞かないんだ私の体だぞ！！





「あうあー！」





「動けー！」と叫んだ私の口から出たのは、ただの言葉にもならない産声だった。





「あ、あう…あ？」

「あら、見てアナタ！Aが声を上げたわ…！」

「本当だ、とても可愛いな！」




何故言葉を紡げない、と困惑する私を覗き込んだのは、眼鏡をかけた上品な雰囲気の女性とがっしりした体つきの男性だった。全く正反対そうな2人だったけれども、蕩けるような表情で私を見ている部分は共通していた。




「あーうー？」




誰だお前ら、という気持ちを込めて再度言葉を発するものの、やはり私の口から飛び出るセリフは意味をなさない。そして、やっとこさ動かせるようになった腕を見て思わずぎょっとした。

そこには、ぷにぷにで柔らかそうな腕があった。しかもそれは大人のサイズでは無く、完全に赤ん坊のそれで……。



つまりこれは、








「あうあう！！(転生か！！)」







どうやら私は赤ん坊に転生してしまったようだ。ラノベか。ラノベなのか。どういうこっちゃ。

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