拾捌 ページ18
夏休みも終わり、八大はいつも通りに賑わっていた。
「仕事して下さい」
「分かった、分かったからさ、あのさ、その首に掛けている手を外してくれる?」
相も変わらず閻魔は仕事をしなく、それに鬼灯が注意(?)している。
お香は職場仲間と楽しそうに笑っていて、座敷童子は鬼灯にくっついている。
誰もがいつもと変わらない日々を過ごせると思っていた。
そう、誰もが。
いつも通りの空気を壊したのは、切羽詰まった様子の唐瓜の声だった。
「鬼灯様!!」
大きな音をたてて扉を開け、閻魔の近くに居る鬼灯に近づく。
呼ばれた彼は、唐瓜からただならぬ空気を感じた。
「どうしました」
唐瓜は急いで駆けてきたらしく、息が激しく切れている。
「……はぁ、あの、……はぁ」
「唐瓜、ちょっと落ち着けよ」
側に茄子が寄って、優しく背中を擦る。
彼を一瞥してから、唐瓜は鬼灯を見上げた。
「あの……居ないんです」
「誰がですか」
鬼灯が問うと、唐瓜は辛そうに顔を歪める。
「きちんと言わなければ分かりませんよ」
鬼灯の言葉に、唐瓜は頷く。
覚悟をしたような瞳で、もう一度彼を見上げた。
「妹が……Aが……居ないんです、何処にも。居ないんです」
16人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
隣のふー@くろまめ。(プロフ) - 神無月怜(元黒瀬優希)さん» 有難う御座います!!そう言って頂き嬉しい限りです…!! (2015年4月5日 21時) (レス) id: 712ba0ee00 (このIDを非表示/違反報告)
神無月怜(元黒瀬優希)(プロフ) - とても面白かったです……!更新、お疲れ様でした! (2015年4月5日 17時) (レス) id: 4cf6869eaa (このIDを非表示/違反報告)
隣のふー@くろまめ。(プロフ) - 神無月怜(元黒瀬優希)さん» とても嬉しいでふ←描いて貰えてよかったな、夢主wおおお、私なんかで良ければ是非!!後、こっから先の会話は多分チャットになっちゃうと思うんで、もし来て頂けるようであればボードの方に返信頂けると嬉しいです…!! (2015年1月4日 23時) (レス) id: 5663fbbcff (このIDを非表示/違反報告)
神無月怜(元黒瀬優希)(プロフ) - 隣のふー@くろまめ。さん» 喜んでいただけてよかったです!後、関係ないですがもしよろしければお友達になりませんか? (2015年1月4日 23時) (レス) id: 4cf6869eaa (このIDを非表示/違反報告)
隣のふー@くろまめ。(プロフ) - 神無月怜(元黒瀬優希)さん» うおああああ有難う御座います!!(落ち着け)早速使わせて頂きますね!! (2015年1月4日 23時) (レス) id: 5663fbbcff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:隣のふー@くろまめ。 | 作者ホームページ:
作成日時:2014年4月25日 14時