【テニプリ】放送委員の憂鬱

放送委員とチョコレート(前編) ページ27

はい、忍足謙也です。お昼休み中です。
まあ、この時期はですね、バレンタインです。
男子みんながそわそわしてるっちゅー話や。
まあそん中でも1人、ものごっつそわそわしとるやつがいる。
もうおわかりの通り、四天宝寺の聖書、白石蔵ノ介っちゅー話や。
そわそわの仕方が聖書やわ、いやまじで。

「Aちゃん誰かにあげるんかな」

「どーやろなぁ。」

まあ、Aの事やし、お前にあげるやろ。
まあ言わんけど。
ちゅーかあいつ、料理できるんかな。手先器用そうやけど。

「髪の毛整えてくるわ」

「おう、いてら」

そわそわしたままトイレに向かう白石。ちょっと笑う。
するとタイミングを見計らったように、Aがやってきた。

「謙也くん、あの…ちょっといい…？」

「おん、わかっとるで！とりあえず移動やな」

「流石！」

白石がいつ来るかわからない状態でAと俺が話しとるとこ見られるのは不味い。
多分チョコのことやと思うし、Aと放送室に向かった。

「あのね謙也君…とりあえず、その。謙也君の分」

「おお！ありがとうな！」

「でね…あの、開けたらわかるんだけど…」

モジモジしながらチラチラと俺に渡したラッピングされた袋を見るA。

「開けるで」

ドキッとしながらあけると、少し不格好なトリュフが入ってた。
あんま料理得意やないんかな。ちょいと可愛い。少し微笑むとAがとんでもない勢いで俺の肩を掴んできた。

「やっぱ変だよね！！不格好だし！！私ほんと料理は出来なくはないけど不器用で形が上手くいかなくて…ラッピングされてるう●こみた「アホアホ！！それ以上言うな！食べにくくなるわ！」

ううぅと項垂れるA。

「まあちょいと不格好やけどな、普通に美味そうやで。」

「白石君…可愛い女の子から沢山貰ってた…」

いやほんま両想いやからな？？言いたい、早く言いたい！！

「大丈夫やって！気持ちが一番や、な！それに、俺もいろんな子からチョコもろたんやけど、Aのが一番嬉しいしな！」

あれ、ちょいと恥ずいこと言うたかな…な、なんか告白みたいやな…。
ちらっとAを見ると、ものごっつ輝かしい目でこちらを見ている。
な、なんて可愛ええやつなんや…！！

「わ、私、毎日謙也君にチョコ作るねっ！」

「た、単純っ！！」

そ、それはええわ…。



(バレンタイン大遅刻ですいません、後半に続く)

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