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59 いきなりだね、うん。 ページ9

「…クビになったら、どうするのさ? 」

「知らねー」

「おいっ!! 」


 …知らねーって何その他人事。

ま、まさかだけど、私を見捨てる気でいらっしゃるのですか?


『あ、お前不合格? ドンマーイ』


 NOOOOOOOOOOOOOo!!!!

駄目だって、こんな事考えちゃダメだって。

あー、もう。

柊太にこんなことを言われてるところの想像がついてしまうなんて、

自分が怖いわ……。


「柊太。俺ら、二人で頑張ろう? 絶対に合格するぞ! 」

「…ペア制なの? 」


 柊太の疑問が耳に入ったRin先生がこちらを振り向いた。

そして、満面の笑みで。


「知らな〜い♪ 」


し、知らないってあんた……。

先生でしょ!?


「悪魔…」

「ん? 」


 いちいち笑顔が恐ろしくてしょうがない。

可愛いってちやほやされて、裏では、ドSの地獄耳だったのね。

その地獄耳で様々な音を聞いて、音楽を作り出してるって言ったら、

凄いことなのだけれど。

むしろ、尊敬抱いちゃうんだけどね。


だけどだよ?

ヒント、少なすぎますって……。


「…この世界、こうでもしないと、

 ……生きていけないよ」


私と柊太は顔を上げた。

そして、先生をじっと見る。


「辛いこととか、乗り越えていけるくらいの心構えがなくっちゃね」


 先生は真面目な顔で言いながら、最後にふっと笑って、

その場を去って行った。


「辛い…こと」

「……これが、最大のヒント、ってか? 」

「そういうこと、なのかな」


 私と柊太はひとり言のように会話を交わすと、すぐに沈黙がやってきた。

それぞれが、何かを考え始めていたから。

もちろん、私も。

……辛いことを乗り越えていけるほどの、心構え。



――楽しいだけじゃないんだ。

人を笑顔にするために、自分自身に苦が襲いかかるって言うのは、

避けては通れないってことかな。

人を笑顔にするには、もちろん、楽しいだけじゃ駄目だよね。

だけど、今、改めて思い知らされた気がする。


……この世界、まだまだ分からないね。

60 時代の流れとともに→←58 一般校、ではないらしい



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流華 - ネクロさん» 感想ありがとうございます!!久々にうらつくを開いたらコメントあって嬉しいです涙 (2021年6月27日 20時) (レス) id: c141522df8 (このIDを非表示/違反報告)
ネクロ - 今1を読み終わった所です!2が楽しみなので、早速読んできます! (2021年1月2日 20時) (レス) id: acc1702ca8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者 x他1人 | 作成日時:2014年3月23日 22時

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