93 畑仕事 ページ43
「じゃあ、早速だけど、
畑を耕して。それと、
…疲れたらすぐに言ってよね」
麗ちゃんは私に農具を渡すと、
そっぽをむいたまま言い放った。
私は、笑顔でそっと受け取った。
「うん！ 心配してくれてありがと！ 」
「別に…。
さ、早くやろ！ 」
「う、うん！ 」
内心麗ちゃんの切り替えの速さに
感心しながら、頷いた。
よしっ、頑張るぞーっ！
ーー麗ちゃんに、お礼の気持ちを込めて…。
…なんつって！
「っ、ぶはーっ！！ あははは！ 」
…ガサ、ガサ、ガサ。
急に笑い出した私なんてガン無視で、
麗ちゃんは真剣に農作業をしていた。
それを目にした私もまた、
すぐさま作業に取り掛かった。
…ガサ、ガサ、ガサ…。
結構、大変なんだね…。
重いし、土をならすだけでも一苦労だ。
それに、なんだか無性に目がチカチカするし。
まあ、いいや。
この作業が終わったら、
休憩にしてもらおうっと。
…ガサ、ガサ、ガサ…ガサ…
「ところで海翔って、さ」
「んー？ 」
作業を始めてから少し経った時、
麗ちゃんが大きく腕を上げ、
畑を耕しながら言った。
「いつから柊太と一緒なの？ 」
「あー、言ってなかったっけ。
高校生からだよ」
流れる汗を軽く拭いながら言った。
にしても、暑いね。
真夏だ、こりゃ。
「へー、結構最近なんだ。なんか意外」
……うへへ。
麗ちゃんが私に興味持ってくれたああ！！
きゃー！ 嬉しいっ！
「そう、かなっ？ 」
内心興奮しているのを押さえつけながら、
冷静を装って頷いた。
だけど、やはり私の顔は正直で。
「何ニヤニヤしてんの…」
「いっ、いえいえいえ！ なんでもないよ！」
顔から読み取られ、ドン引きされました。
あっはー！ はは、は、はぁー…。
「それはともかく……。なんか二人とも
すっごく親しいから、もっと前から
知り合いなのかと思ってた」
麗ちゃんは話を切り替えると、
そう言い放った。
そっか。
私達、そんなに親しく見えてたんだ…。
まぁ、嬉しいことに変わりはないんだけどね。
「そっかー。
まぁ、仲良くなってからはずっと一緒に
住んでたんだけどね」
少し思い出に浸りながら、笑顔で言った。
「へぇー、そうなんだ」
「…うん♪ 」
どこか夢心地で頷くと、
再び回想へと戻った。
…そうだ。
一緒に住み始めてから、
もうすぐ一年は経つんだっけ。
なんだか、あっという間だなー…うん。
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流華 - ネクロさん» 感想ありがとうございます！！久々にうらつくを開いたらコメントあって嬉しいです涙 (2021年6月27日 20時) (
レス) id: c141522df8 (このIDを非表示/違反報告)
ネクロ - 今１を読み終わった所です！2が楽しみなので、早速読んできます！ (2021年1月2日 20時) (レス) id: acc1702ca8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 x他1人 | 作成日時：2014年3月23日 22時
