平凡な女子高生と誠凛バスケ部がカチンとくる。 ページ43
「え……?」
「ここっスよ」と言われて辿り着いた体育館。
だがその中はどこの体育館にもある緑のカーテンによって真ん中で仕切られていた。
「片面……でやるの?」
「もう片面は練習中っぽいですねー」
向こう側で声を張り上げて走る海常高校の部員を見ながら間延びした声でそう答える。
大人数だけあって、さすがに……なんというか、熱気がすごかった。
それに、個人個人の動きもそれなりにキレがあるように思える。
さすが全国クラスー、と心の中で棒読みしていると、いつの間にかリコ先輩と向こうの監督が挨拶を始めていた。
失礼があってはいけないので、慌ててそちらに向き直る。
「監督の武内です。
…………ところで、そちらの監督は?」
「あ、私です」
「はっ!? 君が!? マネージャーじゃなかったのか?」
監督というものは大抵大人がやっている。そのためこの人にはリコ先輩をマネージャーと勘違いしたのだろうが、彼女はそれが嫌だったらしい。
僅かに顔を歪めながらも笑顔を作り「カントクの相田リコです」と自己紹介をした。
そして「それで、こちらは小野A。彼女がウチのマネージャーです」と言われたので、静かに頭を下げる。
その後この体育館がこうなっている理由を聞いたが、要するに『おまえ達じゃ大して相手にならないだろうから、少しでも無駄を失くすため』というそりゃあもう大層なものでした。
しかも話を聞いていると、黄瀬を試合に出す気はないとか、トリプルスコアにならないようにとか、随分舐めたことを言われた。
あっははー、随分舐めてくれんじゃんこの人。強豪だからわからなくもないけどさすがにぶちっと ……って、怖い怖い怖い! 心なしかリコ先輩からなんか熱いものが!? アレ、今は春では!?
「言ってくれるねぇ……」
「久々にカチンと来た」
「すいません、マジすいません! ベンチにはオレ入ってるんで!
……それに、オレを引きずりだすこともできないようじゃ、「キセキの世代」倒すとか言う資格もないしね」
「…………ムカつく」
あまりの余裕を含んだ笑みと言葉に、ポロっと本音が零れる。
拾った黄瀬はまたこちらに視線をやるが、更衣室に案内されたのでそれを無視して皆に着いて行った。
平凡な女子高生、不良にナンパされる。→←平凡な女子高生がモデルの彼の興味をひく。
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彩夏(プロフ) - 更新とても楽しみにしていました!続編でも頑張ってくださいね! (2017年6月7日 22時) (レス) id: a1d1edfed6 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉〔刹叉〕(プロフ) - 黒バスの映画で号泣しちゃいました……(´;ω;`)これからも応援しています!頑張ってください!(小説書くのってむずかしいですね……) (2017年6月7日 20時) (レス) id: 0f137dda1a (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 私もアニマックスで黒バス見ましたーやっぱり最高ですね! (2017年5月24日 18時) (レス) id: 54580b9dce (このIDを非表示/違反報告)
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