いいよ、今日ぐらいは ページ17
『それじゃあ、私行くね。美炬気をつけて帰りなよ』
「だぁいじょうぶだってー!任せといて!Aちゃんも怪我しないように部活頑張ってね!」
『うん、ありがとう。下駄箱まで見送れなくてごめんね、早く来いって急に連絡きてさ』
「いいのいいの!いつも見送ってくれてるし今日ぐらいは全然だよ!!」
『じゃ、本当にごめんね。ばいばい』
「ばいばーい!」
美炬はAの姿が見えなくなるまで手を振り続けた
「…いいよ、今日ぐらいは。明日もあるし明後日もある。バスケ部の人たちとはもっと長い時間Aちゃんと過ごしてるんだから。…Aちゃんと仲良くしていいのは私だけ…」
美炬はふつふつと湧き上がる何かを抑えられずにいた
そんな美炬の独り言を急いでいるAには知る由もない
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お昼の時、美炬の様子がおかしかったのはAにもわかっていた
部室に着いてからもずっとそのことが頭から離れなかった
「ねーえー」
『何?』
「俺にもあーんしてよA〜」
『あんたまだそれ言ってんの』
「だって永ちゃんにはしてたじゃん。ずりぃよ〜永ちゃんだけ」
『今度ね』
美炬のことを考えていたがそんなこと気にして居られないほどの葉山から抗議を受け、Aはどうにかこの状況を抜け出したいと思っていた
『小太郎離れて歩きにくい』
「俺だってAにあーんされたいいいいい」
『……はぁ』
--最近ほんと体もげそう…しんどい--
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作者名:蛍 | 作成日時:2019年10月18日 20時