星降る夜に8 ページ8
「ねぇ、ピストルスターって知ってる？」
急に放った言葉に、彼は驚いたように瞬きして言った。
「いきなりどうしたんだい？…まぁ一応は知ってるけど。
銀河系で一番明るい恒星。合ってるかい？」
「合ってるよ。…ピストルスターはね、太陽の約400万倍以上も
明るくて、大きい星。銀河系で一番明るい恒星なんだ」
「だけど地球からはあまりにも遠すぎて、星雲とかにも
遮られてるせいで、肉眼では決して見ることができないの。
望遠鏡ですらなかなか見ることができないんだよ。
だから、ずっと前から在る星なのに、つい最近まで誰も知らなかったの。」
それって何だか悲しくない？と尋ねたら、そうだねと返ってきた。
その瞳は暗い夜空を見上げていて、沢山の星を映していた。
その中に、見えないピストルスターもあるのだろうか。
「『遠く離れていても、信じられないくらいに明るい星が、
俺たちの頭の上にはあるんだ。それってなんだか嬉しくないか？』」
「……え？」
「これは、兄さんの受け売りだけどね」
暗闇に取り残されたような気分になった時。
世界中が敵になって、独りぼっちだと思った時。
空を見上げたら、私だけの為に何よりも明るく輝いてる星がいる。
私にとってのピストルスター。
暗い宇宙で、なによりも明るく輝く星。
なのに人々にはその光がほとんど届かない星。
それは少しだけ悲しい、けど。
その星の美しさと気高さを、きっと誰も知らない。
誇りもせず、鼻にもかけず、ただ輝いている。なによりも強く。
私だけが、知っている。
「そう考えると少し救われる気がしない？」
「そうだね」
「…まるで、織田作が云いそうな台詞だ」
「何か言った？」
「否、何でも。…すごく、素敵な考え方だと思う」
「ありがとう」
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暁月 - すごく心があたたかくなりました!面白いです。ドラえもんの方もお待ちしております! (2020年11月25日 22時) (
レス) id: e687c517ef (このIDを非表示/違反報告)
明月(プロフ) - くれーぷさん» ありがとうございます！この作品で少しでも誰かが明るい気持ちになってくれたら嬉しいです。更新頑張ります！ (2017年8月9日 17時) (レス) id: 0166858713 (このIDを非表示/違反報告)
くれーぷ(プロフ) - なんだか読んでから心が軽くなったような気がします。ほっこりする素敵な作品をありがとうございます！私もこんな作品書けるように頑張ろ。更新楽しみにしてますね♪よし、星見に行こう← (2017年8月9日 12時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
明月(プロフ) - RAIさん» ありがとうございます！柔らかい文章かは分かりませんが、できるだけ感情?とか心の声みたいなものを書くように心がけています。あとは五感をいれるとか…。分かりにくくてすみません。すごく嬉しいです。更新頑張ります！ (2017年8月5日 22時) (レス) id: 0166858713 (このIDを非表示/違反報告)
RAI(プロフ) - 柔らかい文章の書き方がとても好みです……！私もそんな風に掛けるようになりたい(切実)。次の更新も、楽しみにしています。 (2017年8月5日 20時) (レス) id: d6a1ef8da1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：明月 | 作成日時：2017年8月5日 15時
