Spica【菅田将暉】 (ページ30)

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「私……でいいの？
私……凄くめんどくさいよ？
今日で…わかったでしょ？」

確かに、翠は人の視線が気になるようだった。

普段はそれなりに大丈夫なようだが、やはり人が多ければ多い程怖くなる。

誰が何処で何を言っているのか、分かりもしないくせに自分の悪口じゃないかと想像して怯える。

2年前から、よく体調を崩すようにもなったし、足も引きずるように歩かなければならない。

家族以外に触れられるのも苦手で、俺でも触れられると怖がってしまう。

だけど。

「そんなの関係あらへんわ。
俺は、翠がええよ」

「………後になって、「もう嫌」なんて言わないでよ？」

「言う訳ないやん。なに？翠には俺がそんな事言う奴に見えるん？」

「……違うけど…。私、本当に自信なくて…」

「大丈夫よ。翠はええ女やわ」

翠は顔を真っ赤にして、「…ばか」と呟いた。