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24話 ページ24

優しく頭を撫でられているような感覚。

ゆっくりと意識が浮上する。

「………ん」

どうやら寝てしまっていたようだ。

「よく、寝てたな」

「一颯さんも人の事言えませんから」

先生は少しだけ笑った。

「お薬、楽になりましたか?」

先生は小さく頷く。

「朝よりはね。
まだ、倦怠感はある」

「………そう、ですか」

それでも、朝みたいに苦しんだりはしていない。

私はその事でまず安心した。

「…ありがとう、朱莉」

「当然じゃないですか。
夫婦ですよ?
苦しい事は半分こ。
……半分こ出来なくても、その隣に寄り添っていたいですから」

先生は笑った。

いつもよりはあまり元気の無い笑顔だけど。

「そうだったね」

先生は私に手を伸ばす。

私は意図がわからずに首を傾げた。

「朱莉、抱きしめさせて」

先生から言うなんて珍しい。

先生が広げる腕の中に、遠慮がちに入ると先生は私を抱きしめた。

「……朱莉がそばにいると、安心出来る」

「ふふ…私も、一颯さんがそばにいると安心します」

その心臓の鼓動も、体温も、低めの落ち着いた声も。

全部全部、ドキドキするし、安心する。

ただ、どんどんやせ細っているのを実感してしまう時間でもある。

「朱莉、愛してる」

「私もです」

本の少しの夫婦の時間。

例え、彼の体が死に少しずつ近づいていても、幸せな時間である事に変わりはない。

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rina - hoshinaさんこれからも頑張れ! (2022年12月7日 23時) (レス) @page37 id: 265817b150 (このIDを非表示/違反報告)
rina - 小説とても感動した  (2022年12月7日 23時) (レス) @page37 id: 265817b150 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - とても読み入って、泣きそうになりました!!とても面白かったです!感動しました! (2020年1月26日 13時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
hoshina(プロフ) - akiraikaさん» ありがとうございます!!そう言って頂けて、ホントに嬉しいです!!これからも頑張ります!! (2019年6月12日 12時) (レス) id: 8ee6c3887f (このIDを非表示/違反報告)
akiraika(プロフ) - とても素晴らしかったです。一行読む度に涙が出てなかなか読み進められない。本当に素敵なお話でした。これからも頑張ってください。 (2019年6月12日 11時) (レス) id: f2ff021446 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:hoshina
作成日時:2019年3月15日 12時

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