【おそ松さん】アリス捕獲計画。【マフィア松】【完結】

episode…7 ページ9

宿題待ってますね、と別れの挨拶をされて警視庁を出た。

腕章は返せないまま。

家に帰って寝て就職したというのに生活のリズムはニートのままだ。

昼前に起きて飯食って2階で6つ子会議。

もちろんアリスの宿題の話だ。

「花屋なんて近くにあるか??」

「あるわけないでしょ、こんな過疎地に。」

「そういうなよチョロ松。ここは女の子得意なトド松に…。」

「女の子とのデートで花屋は使わないよ。でも知ってるよ、花屋。」

女の子とのデートで花屋を使わないのに知っているのはなぜだろうか。

聞こうと思うがトド松は話を続ける。

「駅前にすごい綺麗な花屋が出来たんだ。ドリアードっていうんだけど。」

「へえ…、行ってみる??ちょっと遠いけど。」

いつもなら誰かに押し付けるところもアリスの宿題だし、アリスの頼みならいくしかなかった。

6人で揃って家を出て歩いて15分の花屋ドリアードへ向かう。

若いカップルに着物を着たおばちゃん、ちいさな女の子にお年寄り。

客層様々で珍しいと思った。

普通、花屋なんて誰も来ないと思っていたから。

「いらっしゃいませ、なにかお探しですか??」

入り口につったっていると声をかけられた。

白無地のポロシャツの胸ポケットにネームプレートがあって手書きの中性的な文字で生野Aと書いてある。

丁寧にふりがなまでふって。

「あ…、いや…バラ…、探してるんです。」

大の大人、それも男が20歳そこらの同い年くらいの女の子に「バラを探してます」なんていうのは気恥ずかしい。

「バラですか…何色ですか??」

恥ずかしがっているのを知ってか知らずか生野ちゃんはにこにこ笑って尋ねる。

「赤と青と緑と紫と黄色とピンク…。」

「ふふっ、カラフルですね、ありますよ、こちらにどうぞ。」

金髪に近い茶色のサイドテールと腰から脛まである濃い緑の長いエプロンを揺らしてガラスケースの方へ歩いていく。

トゲのあるバラをものともせず触って

俺達に見せてこれでいいですか??

そう聞いて、いいと答えるときれいに包装してくれた。

「あの、これからずっとバラを買いに来ていいですか…??」

十四松が気を利かせてそう聞いてくれる。

俺が恥ずかしがっていることがわかったのだろうか。

とうの生野ちゃんはびっくりした顔をしてすぐにふんわり笑って

「お待ちしてますね」

そう一言言った。

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