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？？？の過去 ページ48
最後の力を振り絞ったのだろう。
壊した時に散らばった破片の中でも1番大きなものが心臓をめがけて飛んで来たが、途中で力が弱まり服に傷がついただけだった。
｢……馬鹿だな｣
破片を拾い、自分の目しか反射して映らない破片を見て呟いた。目は闇だけを映していた。破片に落ちた雫など、見ていない。
これで君は蘇らない。
どう足掻いても此処から出ることは出来ない。
蘇ったとしても、今までの記憶はないだろう。
壊すのは得意だ。
何度やってきたことか……数えるのも面倒だ。
ビンの中にあるこの破片に、名前はない。
稀に、カタカタと揺れる時がある。
足掻いている。
ここから出ようとしている。
自分に対する恨み辛みが、ビンの中で充満する。
｢お前を出す訳には行かない｣
そう言えば、ビンの怪物は静かになる。
もう何年も繰り返す……
永遠に続けば良いのに……
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作者名：東雲大我 | 作成日時：2018年10月22日 2時
